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一貫ごとに結集する妥協なき技に陶酔

「鮨さいとう」と言えば、ネタによってシャリの温度を変え、緩急のある味わいを生み出すことで多くの鮨通を納得させてきたが、そのスタイルは、当然ながら「鮨つぼみ」でも健在だ。

米は大きめの粒の古米を使用。季節によって水分量を変え、ゲストの来店時間に合わせて炊き上げる。合わせるのは赤酢と塩のみ。砂糖は一切加えない。ネタそのものが持つ本来のおいしさを最大限引き出すことにこだわるのだ。

また、ネタとなる魚は、すべて「鮨さいとう」の仕入れ先と同じ。丸山氏が齋藤氏と一緒に毎朝築地へ出向き、よりよい素材を求めて市場を回る。仕入れ後は、すばやく店に戻り、仕込みにかかる。これによって、くさみの無い、澄んだ味わいの鮨が出来上がるのだ。

本日のお任せコース(写真7枚)

メニューはお任せコース(1万8000円 ※税別)のみ。つまみ5〜6品、握りが11貫と、なかなかのボリュームだが、最後まで飽きさせずに楽しませるのは、やはり1品ごと、1貫ごとに施される緻密な計算力のなせる業なのだろう。

それにしても、店主・丸山氏の所作は美しい。

聞けば、清潔な空間で手入れが行き届いた道具を使えば、おのずと鮨は美しくなるという師匠・齋藤氏の発想のもと、修行時代に掃除や道具の手入れを徹底的に叩き込まれたそうだ。

オープンして間もないが、口コミで噂が広まり、すでに問い合わせが後を絶たないという。本当に予約が取れなくなる前に、足を運び、その”美しい鮨”を味わってみてはいかがだろうか。

鮨つぼみ」の店主、丸山真琴氏

鮨つぼみ

住所:東京都目黒区東山1-21-26 QG東山ビル1F
TEL:03-6451-0903
営業時間:18時〜、20時30分〜
鮨つぼみ



取材・文/甘利美緒

東京・中目黒の閑静な住宅街の一角に位置。きりっとした白暖簾と行燈が店の存在を告げている。

東京・中目黒の閑静な住宅街の一角に位置。きりっとした白暖簾と行燈が店の存在を告げている。

正面の坪庭では、見事な枝ぶりの松の盆栽がゲストを迎えてくれる。

正面の坪庭では、見事な枝ぶりの松の盆栽がゲストを迎えてくれる。

店内は、無垢材をあしらった清々しい空間が広がる。

店内は、無垢材をあしらった清々しい空間が広がる。

「鮨つぼみ」の店主、丸山真琴氏。

「鮨つぼみ」の店主、丸山真琴氏。

白エビ 生姜醤油

白エビ 生姜醤油

ゆで毛蟹 カニ酢

ゆで毛蟹 カニ酢

鰯

鮪の漬け

鮪の漬け

大とろ

大とろ

車海老

車海老

玉子焼き

玉子焼き

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