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MEN’S EX編集部を訪問したら……

「帰国は1995年。当時はイタリア物といえば、ジョルジオ アルマーニ、ヴェルサーチといったイメージを持たれる時代でした。バブル経済が終わったと言っても、まだバブルから抜けきってはいません。そんななか日本でオーダーメイドの仕事をしていかなくてはならなかったのです」。

当初、現在の前身と言えるジャック日本橋で仕立てを始めた。

その後に評論家、落合正勝さんの本からMEN’S EXを知ることになる佐藤さん。当時のMEN’S EXにはブリオーニやキートンのことが書かれており、ここなら自分の仕事を理解してくれる人がいるかもしれない。と編集部を訪問してみることにした。当時の編集長と編集部員が佐藤さんの仕事に共感し、誌面で特集が組まれることとなる。掲載を機に新しい顧客がつき手応えも感じられた。ついで2000年にサロンを銀座に引っ越して、ペコラ銀座がついにオープンする。

ペコラ銀座代表 佐藤英明さん

時代に流されない強さの理由は?

そこから先は「山あり谷ありですよ」と佐藤さん。とはいえ、リーマンショックや東日本大震災の影響もさほど影響を受けることなく乗り越えられた。それというのも、ペコラ銀座の提案が流行りに乗るものではなく、普遍的な価値を提供しているからに違いない。変化したことと言えば、オープン当初に多かった30歳前後の顧客が少なくなったことや、インターネットでペコラ銀座を知り、訪れる人が増えたことくらいだ。

「昔のほうが説明は必要でしたね。いまはインターネットで情報を把握してからいらっしゃるから、あまり説明が必要なくなりました」。

クラシコイタリアブームの黎明期に、貴重な現地の技術を解説・披露した佐藤さんは、紛れもなくブームの立役者の一人である。そして、日本でオーダーメイドの価値が再評価され、新たな時代に対応するものへと変わるきっかけを作った一人といっていい。いまは銀座と千葉の実家の工房を行き来しながら、仕事をこなす毎日。これからも日本、フランス、イタリアの三か国で習得した素晴らしい仕立てでオーダーメイドの魅力を多くの人に伝え続けてくれることだろう。

ペコラ銀座

住所:東京都中央区銀座4丁目3-2 清水ビル3F
TEL:03-3535-6465
営業時間:11時〜19時
定休日:日曜、祝日
http://www.pecoraginza.com/
要予約

撮影/久保田彩子 取材・文/川田剛史

ミラノでの修業時代にペコラさんの仕立てた洋服を撮影したもの。左はレディース。

ミラノでの修業時代にペコラさんの仕立てた洋服を撮影したもの。左はレディース。

こちらもペコラさんが仕立てたもの。今、改めて見ても素晴らしい出来なのが写真からも分かると佐藤さん。

こちらもペコラさんが仕立てたもの。今、改めて見ても素晴らしい出来なのが写真からも分かると佐藤さん。

同じく、ペコラさんによる一着。仕立ての途中で撮影されている。

同じく、ペコラさんによる一着。仕立ての途中で撮影されている。

佐藤さんは世界中から最高の素材を吟味している。生地を選ぶのもオーダーの楽しみの一つ。

佐藤さんは世界中から最高の素材を吟味している。生地を選ぶのもオーダーの楽しみの一つ。

ペコラ銀座ではマーキスのビスポークシューズの注文を受け付けている。マーキスについては、本連載の第4回でご紹介している。

ペコラ銀座ではマーキスのビスポークシューズの注文を受け付けている。マーキスについては、本連載の第4回でご紹介している。

針山ひとつにも美意識が感じられる。

針山ひとつにも美意識が感じられる。

大きいハサミ(右)は兼吉のもので、館山の刃物店に家宝のように置かれていたそうだ。通常の大きさの裁縫ばさみ(左)は長太郎のもの。

大きいハサミ(右)は兼吉のもので、館山の刃物店に家宝のように置かれていたそうだ。通常の大きさの裁縫ばさみ(左)は長太郎のもの。

佐藤さんが愛用するシルクのステッチ糸。イタリアで仕入れたもので、すでにメーカーは廃業しているが、前もってたくさん買い置きをしていた。「太すぎず、細すぎず、非常に使い勝手がいいですね」。

佐藤さんが愛用するシルクのステッチ糸。イタリアで仕入れたもので、すでにメーカーは廃業しているが、前もってたくさん買い置きをしていた。「太すぎず、細すぎず、非常に使い勝手がいいですね」。

師匠であるペコラさんとパチリ。「1995年に帰国してからも5〜6年くらいの間、ずっとミラノに戻り、ペコラさんと一緒に働きたかった」と佐藤さん。

師匠であるペコラさんとパチリ。「1995年に帰国してからも5〜6年くらいの間、ずっとミラノに戻り、ペコラさんと一緒に働きたかった」と佐藤さん。

5年の修行を終え、ミラノを離れる前にペコラさんと記念撮影。指導は厳しい人であった。「最初は怒られるたびにいじめられているのかと思っていました。あとになれば、可愛がってくれていたのだなとわかります」。

5年の修行を終え、ミラノを離れる前にペコラさんと記念撮影。指導は厳しい人であった。「最初は怒られるたびにいじめられているのかと思っていました。あとになれば、可愛がってくれていたのだなとわかります」。

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