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ハイラックスのインテリア
インテリアはスペースも広く、機能面や収納といった利便性も高い。全体的にシンプルなデザインとなっている点も、クルマのキャラクターに合致していて「程よい道具感」も高い。
ハイラックスのリアシート
リアシートのスペースは確かに狭めかもしれないが、クルマのキャラを考えれば十分といえる。むしろこのルックスでこの快適性を持たせた点は見事と言うべきだろう。

しかし、その分、キャビンは広々としている。パッケージングはリアにドアを備えた4ドアタイプ(海外では2ドアもある)であり、乗降性含めて不足なし。インパネは、イマドキのモデルとしては質感に物足りなさを感じるかもしれないが、これでもかつての実用性を優先したモデルと比較すると、質感、操作性ともに、大幅に向上。そう、多少の我慢は必要かもしれないが、何かが不足しているかと言われると、そんなことはない。Zグレード以上では、エアコンはオートタイプになるし、ナビゲーションだって装着できるし、万が一の際にはブレーキ操作を行うプリクラッシュセーフティシステムも採用している。

ハイラックスのフレーム構造
見た目だけでなくタフな走りもハイラックスの武器。それを生み出しているのが高剛性のフレーム構造。悪路走破性の高さはもちろんだが、街中で乗っても実は十分快適な乗り心地が味わえる。

ただ、いくら乗用車的になった、スポーティさを手に入れたといっても、その素性はベッドに荷物を載せて移動することを目的としたピックアップトラックであることに変わりはない。ハードウェアは、まさにトラックに採用されているラダーフレーム+ボディ別体構造をベースに、リアには日本語では板バネなんて表現されるリーフスプリングを用いたリジッドサスペンションを採用。4WDシステムも、シンプルかつ確実なトラクションを伝達できるが、オンロードで4WDにスイッチすると低速のコーナリングでぎくしゃくとして扱いづらさがある、パートタイム式としているなど、そのハードウェアは硬派そのもの。その分、オフロード走破性はすこぶる高く、Zグレード以上にはリアデフロックというオフロード走破での最終兵器なんて言われるデバイスまで装備し、路面からタイヤが離れてしまうようなハードなシーンも走破していく。

ハイラックスの荷台
荷台の積載量は500kg。荷台の高さは80mmで錆や腐食を防ぐ加工を施し、ラフな使い方にも耐えられるように設計されている。

エンジンは2・4Lディーゼルターボを搭載。低回転域からトルクが盛り上がってくるだけではなく、4000回転までしっかりとパワーを発生させる。ガソリンターボのようなパンチには届いていないが、パワーの面でストレスを感じさせるなんてことは心配しなくていい。ベッドに何も積んでいない空荷状態だと、リアサスペンションの上下動が気になるが、荷物を積みこむとその動きはしっとりとしたものに変わり、心地よさすら感じられるようになる。

ピックアップトラックなんて、どうやって乗るの? どうやって使うの? そう思われた人も多いかもしれない。しかし、それこそ、どうやって乗ろうと、どうやって使おうと、ユーザー次第。この最新型ハイラックス、日本では20?30代に受けているんだとか。そう、彼ら、日本でピックアップトラックが走っていた頃に生まれた世代であり、ピックアップトラックそのものが新鮮に見えるんだとか。乗り味、ハードウェア、スタイル、ボディサイズまで含め、ほかにない、という感覚が受けているらしい。

ハイラックス
ベースグレードとも言えるX(326万7000円)、装備を充実させたZ(374万2200円)の他に、新しく写真の特別仕様車Zブラックラリーエディション(394万7400円)が追加された。

そうそう、昨年11月に、オーバーフェンダーやタフさをアピールしたフロントマスクを採用し、ラギッドテイストを強めた特別仕様車Z”Black Rally Edition”が登場。いまのところ、販売期間、台数は定められていないとのことだ。



文/吉田直志 写真/トヨタ 編集/iconic



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