12年目を目前にしたビッグマイナーチェンジ
そして、2018年11月、現行型デリカD:5は12年目を目前にして、フルモデルチェンジかと見紛う内容でビッグマイナーチェンジを行なった。これまで内外装で少々の変更はあったが、ここまでのデザイン変更は初。逆にいえば、当初のデザインは飽きの来ない優秀なものだったとも言えるが、質感の面では、さすがに最新モデルと比較すると見劣りする部分が見られ、また先進安全技術の多くが採用されていないことが販売に対してウィークポイントとして目立つようになり、今回の大改良に至った。
改良のトピックは、内外装の意匠、それに伴う質感アップ、静粛性をはじめとした快適性の向上、先進安全機能の装備、そして、アーバンギアと呼ばれるモデルの追加となっている。簡単にいえば、これまでのカジュアルライクだった現行型に、より上質感を与えたモデルへと進化させたということになる。もちろん、デリカD:5のネーミングも、オールラウンダーミニバンたるコンセプトも変わっていない。
そのデザインはこれまでのアクティブ感を、カジュアルな方向ではなく、プレステージ性として表現。フロントマスクが特に特徴的で三菱車のフロントマスクテーマであるダイナミックシールドに縦型マルチLEDヘッドランプを組み合わせるという大胆かつ、先進性をデザインを採用している。これにより力強さと押し出し感を手に入れ、オフローダーとしての力強さもしっかりと確保している。
新たに追加されることになったアーバンギアは、より洗練されたテイストを表現し、いわゆるエアロ仕様とは異なるモダンをデザインしており、まさにこれまでのデリカD:5にはなかった別バージョンを提案している。
現行型のインテリアには遊び心に繋がるカジュアルテイストが描かれていたが、最新モデルではラグジュアリ感を求めて進化を果たした。インパネは、SUVに求められる機能性、たとえば、駆動方式切り替えダイヤルを明確にデザインしながらも、一方でラグジュアリィモデルらしくシンプルモダンを組み合わせて表現。ラフロードでの車両スタンスが分かりやすいようにと水平基調としながらワイド感も同様に表現し、さらには10.1インチオリジナルナビの装着も可能とするなど、その改良はまさにフルモデルチェンジレベルとなっている。