ヨンクの老舗、三菱のこだわり
SUVと言ってしまうと、昨今の乗用車ベースのモデルをイメージするかもしれないが、かつてのヨンクまでをSUVに含めると、SUVに精通しているブランドのモデルには、ヒストリーや頑なともいえるこだわりを見つけることができる。
そんなブランドのひとつに三菱自動車がある。1950年代、ジープのノックダウン生産をはじめた三菱自動車は、やがてオリジナルモデルであるパジェロを開発し、SUVとはなんぞや、を確立。そのパジェロは、80?90年代のRVブームではSUVカテゴリー(当時はヨンクカテゴリー)に止まらず、大ヒットとなったことはご存知のとおり。
ただ、今となっては皆忘れているかもしれないが、パジェロはスタイルだけのSUVではなく本格的オフロード走破性を持っており、そのタフさが重量増を招き、また、快適性をスポイルしていたなど、スノードライブやフィールドまでの足としては、オーバークオリティな面も持ち合わせていた。
その後、三菱は、新世代SUVとして、乗用車にも使われるプラットフォームをベースにしたライトデューティラインを提案する。その第1弾が05年にデビューしたアウトランダーだ。このプラットフォームは、やがてデリカD:5やRVRといったバリエーションを生んだだけではなく、グローバルではジープ・コンパス&パトリオット(いずれも初代)、さらにプジョー・4007とシトロエン・Cクロッサー(いずれもアウトランダーベースモデル)にも展開されている。
何も犠牲にしない三菱の新世代SUV
さて、前置きは長くなったが、今年の春、このラインに三菱からさらなる新しい提案が行われた。それがここで紹介する「エクリプスクロス」だ。何が新しいかといえば、三菱がこだわってきたSUV性能をスポイルすることなく、スタイリッシュなデザインをバランスさせたことにある。