ステルヴィオの独創的なスタイリング(写真3枚)
ステルヴィオの見所は走りだけではない。その独創的なスタイリングも、やはり注目すべきポイントだろう。長いホイールベースに対して、切り詰められたフロントオーバーハング、後退したキャビンによって描き出されたフォルムは、エレガントな曲線基調もあって伸びやかで、且つ力強い。しかもフロントマスクには、盾型のグリルとバンパー左右の大型エアインテークの配置によって、アルファ ロメオの伝統であるトライローブ(=三つ葉)が描かれている。目をひくのは間違いない。
プレミアムレザーシートとウッドパネル(写真3枚)
プレミアムレザーシートやウッドパネルを装備したファースト エディションの内装は、ジュリアと較べてもデザイン、そしてクオリティのレベルが向上したように感じられる。広さも印象的だ。長いホイールベースの恩恵で後席は外観から想像する以上に余裕があるし、ラゲッジスペースも後席使用時で525?の容量を誇る。走り、デザインだけでなく、SUVに求められる快適性も機能性も、そこにはしっかり備わっているのだ。
目下、アルファ ロメオはブランド再建の真っ最中。”ジョルジョ”から生み出されたジュリアとこのステルヴィオを主力に据えて、プレミアムカーブランドとしての位置づけを明確化しようとしている。いかにも後輪駆動的な味わいを前面に出した切れ味鋭い走りと扇情的なデザインは、古くからのファンにはきっと響くに違いないが、果たして新しいユーザー層を惹き付けることができるかは興味深いところといえる。おそらくジュリア以上に、今マーケットが爆発的に拡大しているSUVのこのステルヴィオこそが、その先鋒を担うことになるはずである。
文/島下泰久 撮影/柳田由人 編集/iconic