
カローラには走るDNAが息づいている!?
若帰りを目指したモデルチェンジのポイントは大きく2つある。1つはデザインと走りの楽しさの追求。もう1つが、「コネクティッド」だ。このコネクティッドについては、事前試乗会という、このタイミングでは試すことができなかった。新型クラウンと合わせて搭載される機能のようで、奇しくも50年以上の長い歴史をもつ日本を代表するオジさんグルマの2モデルが、最新のテクノロジーを身につけることになるわけだ。

カローラ スポーツのプラットフォームやパワートレーンは、トヨタが進めるクルマづくりの構造改革「TNGA(Toyota New Global Architecture)」をもとに開発されたもので、プリウス、C-HRに続く第3弾ということになる。サイズとしてはいわゆるCセグメントで、世界的にはVWゴルフが1つのベンチマークとされており、日本メーカーでもホンダ シビック、マツダ アクセラ、スバル インプレッサなど競合が群雄割拠する。したがってボディサイズは世界基準を見据え、全長4375×全幅1790×全高1435mmと全幅は1700mmを超えて3ナンバーサイズになった。

デザインは、近年のトヨタが採用するグリル面積を広くとった「キーンルック」だ。ハッチゲートは複雑な造形を可能にするためあえて樹脂製にした。またタイヤハウスとホイールの隙間を少なくしてスポーティに見せるため、フェンダー内部の作り方も工夫しているという。実際に18インチ仕様では車高が低く見えるなど効果があった。
エンジンはプリウスやCH-Rと同様の1.8リッターのハイブリッドと1.2リッターターボの2種類。後者には、新開発の6速マニュアルトランスミッション「iMT」も設定された。
クローズドコースで短い時間の試乗だったが、ボディの剛性感やステアリングフィール、静粛性などさまざまな点で進化していることがわかった。また6速MTは発進時にクラッチをゆっくりつなげばエンジン回転数を上げて発進を補助してくれたり、シフトダウンの際に自動でブリッピングしてくれるモードも備えていた。これならマニュアルに不慣れな人でも操作しやすいだろう。

日常での使い勝手や動力性能、燃費性能などを総合的にみれば、ハイブリッドモデルのバランスがいいだろう。しかし、あえてこの時代にカローラを選択肢にあげる若者にはぜひMTをおすすめしたい。なんたって安くて楽しい。若い人は知らないかもしれないけれど、”ハチロク”だって、本当の名前はカローラ(レビン)だったのだ。カローラには走るDNAが息づいているというわけだ。