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EVならではの経済性と高い安全性を誇るボルボ XC60

ボルボの主力SUVとして登場した新型XC60は、先代と比べて各部のクオリティを大幅に引き上げてきたのが特徴。兄貴分のXC90にも通じるシンプルな美しさはきわめて北欧的だし、清潔感と温かみ、先進感と寛ぎ感といった相反する要素を巧みに両立したインテリアも見どころだ。

今回試乗に連れ出したのはプラグインハイブリッドのT8。近距離であればEVとしてモーターだけで走行し、長距離ではエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車として走る。対応する充電器は200Vタイプのみ。高速道路のSAにある急速充電器に対応していないため、ロングドライブはハイブリッドモードで走ることが多くなるが、320psのエンジンと87psのモーターの組み合わせが生みだす動力性能はそうとう力強い。なお、満充電時のEV航続距離は45km。

走りながら充電ができる「チャージモード」も備えているので、買い物や送迎といった普段使いはEVとして、週末のロングドライブも、不安なく楽しむ事ができる。車輌価格は上がってしまうが、EVとエンジン車のいいとこどりがプラグインハイブリッドの魅力だ。

小淵沢ICから東京方面に走る際は左手に八ヶ岳や南アルプス、右手の遠くに富士山を見ながら走ることになる。撮影日は台風一過で天気が良かったため、富士山を見ることもできた。あいにく頂上に雪が残っておらず、雪化粧は見られなかったが、澄み渡った空気の美しい夕景の中、日本一の山を見ることができた。もちろん、夕日に照らされた八ヶ岳も文句なしに美しい。

のんびり時間を潰してから、暗くなる前に星空を見るための場所を探す。といっても星空を眺められるのは本当に真夜中になるので、みなさんには近隣のすばらしい宿を拠点にして、一度もどってまた深夜に出発、そんな楽しみ方をお勧めしたい。面倒くさがりの多い旅スタッフはそのまま運転を楽しみ、車中でのんびり過ごして星空を楽しんだが……。よく「手が届くところに星空が……」なんて表現が使われるが、その言葉がピッタリの美しい星々を見ることができた。

深夜に宿へ入り、翌日は諏訪湖エリアへ足を伸ばして諏訪大社の４つの宮をぐるりと巡った。諏訪湖の南東には上社と呼ばれる本宮と前宮があり、諏訪湖の北側には下社の秋宮と春宮が。上社と下社への移動は道が空いていれば40分程度で移動できる。全国にある諏訪神社2万5000の総本社であり、信濃ではもっとも社格が高いと言われるだけに、厳かな雰囲気に圧倒される。

世界で最も安全と言われるボルボの最新SUVに乗っているのだから大丈夫と思いつつも、今後のことを考え安全祈願をしっかり行ってから東京へ帰ることにした。

［MEN’S EX 2017年1月号の記事を再構成］
撮影／河野敦樹　文／岡崎五朗　構成／iconic