【商品構成】
レディースとメンズの靴を販売。遡れば、オードリー・ヘップバーンの映画が流行ると、”ヘップバーン・サンダル”が爆発的に売れた。メンズでは、石原裕次郎らがスクリーンを賑わすと、靴も洒落たデザインのものが登場したそうだ。仕入れのはじまりは、アメリカの靴。「L.L.ビーン」のガムシュー、「トップサイダー」のデッキシューズ、「フローシャイム」のコードバン……。やがて、ヨーロッパの靴へ。イタリア「ドロミテ」のチロリアンシューズなどをいち早く店頭に並べた。1980年、’90年代のDCブランドやインポートブームを反映した靴の仕入れを経て、「オールデン」や「ジョン ロブ」といった本格的な靴の販売へと発展したのである。
【仕入れ】
内藤会長は、いまも東京での展示会に赴く。30歳代の頃には、夜行列車で向かい、一日中問屋を回って日帰り。「オールデン」は日本の正規代理店ができる前からの付き合いだ。初めて「オールデン」の靴を見たとき”この曲がった靴がなぜ高価なのか”と疑問だったが、その素晴らしい履き心地を実感すると、すぐに仕入れた。東京の展示会に通ううちに、掘り出し物を見つけることも多く、「なとりや」独自の靴の仕入れが確立した。
【審美眼】
「なとりや」の品揃えは、靴専業のファクトリーブランドが核となる。内藤会長いわく「靴づくりがしっかりとできているかを見極める」。ディテールの魅力にとらわれると、履き心地が伴わない。しかし、トラッドな靴ばかりが並ぶと退屈な店内になるため、幅広いブランドを扱う。名門「ジョン ロブ」や通好みの「ジョーワークス」なども多彩に棚を飾る。内藤会長を筆頭に、4人で店を切り盛りする家族経営の「なとりや」。たっぷりと注がれた靴への愛情が、店内に漂っているのが、なんとも心地いい。
オールデン、トリッカーズ…魅力的な別注シューズが揃う(写真4点)
なとりや
住所:新潟県上越市中央2-5-5 TEL:025-543-4061 11時-20時 無休 ホームページ: https://www.natoriya.jp/
[MEN’S EX 2019年4月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)