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京都ほど、旅程を埋めようと思えば、いくらでも埋められる街はない。
寺社を巡り、気になる店を訪ね、夜は予約した料理店へ――。もちろん、そんな旅も楽しい。けれど何度も足を運ぶうちに、予定を詰め込むことより、京都の空気に身を置く時間そのものに惹かれるようになる。
鴨川のほとりに佇む〈Shizuru鴨川〉は、そんな大人の京都旅に似合う全5室の宿だ。目指すのは、観光のために泊まるホテルではなく、滞在そのものが旅の目的になる場所。ここには、京都での時間を自分のペースで愉しむための仕掛けがある。
鴨川を眺めながら、何もしない時間を愉しむ
阪急京都河原町駅、京阪祇園四条駅のいずれからも徒歩数分。先斗町や祇園も徒歩圏内という京都の中心部にありながら、館内には静かな時間が流れている。
4階建ての館内に客室はわずか5室。鴨川ビューは67㎡、木屋町ビューも57㎡とゆとりがあり、畳スペースやソファ、簡易キッチンなどを備える。
「Shizuru」という名は、“静かに流れる”鴨川の姿に由来する。ゲストにも、その流れのように静かな時間を過ごしてほしいという思いが込められているという。
おもてなしも、その考え方に通じる。スタッフが過度に介入することなく、ゲストとの距離感を大切にし、必要なときにそっと応える。サービスを足していくのではなく、あえて干渉しすぎない。そうした心地よさも、この宿の魅力だ。
納涼床を、自分たちだけの居場所に
〈Shizuru鴨川〉を象徴するのが、1階の客室に設けられた専有の納涼床だ。
京都の納涼床といえば、川風を感じながら料理を愉しむ夏の風物詩。ここではそれが、宿泊者だけのプライベートな滞在空間になる。
67m²の客室に46m²の納涼床がつながり、テーブルやデッキチェアを用意。朝の空気のなかでコーヒーを飲むのもいい。夕暮れの鴨川を眺めながら、ゆっくり食事をするのもいい。飲食店の納涼床とは違い、過ごし方も時間も自分たちで決められるのが面白い。
食事も、過ごし方も、自分たちで決める
宿で過ごす時間をさらに豊かにしてくれるのが、2階の宿泊者専用ラウンジ「辻 -tsuji-」と、3階のプライベートダイニング&キッチン「炎ころ -hokoro-」だ。
「辻」は、人と人、町と水が交わる場所をイメージしたラウンジ。国産の木を生かした落ち着いた空間で、コーヒーを片手にひと息ついたり、旅の計画を練ったりと、思い思いに過ごせる。
一方、「炎ころ」は、1日1組限定で利用できるプライベートキッチン。食材を持ち込んで自分たちで料理してもいいし、京都の店からケータリングを頼んでもいい。錦市場などで見つけた旬の味を、納涼床で愉しむという過ごし方もできる。
館内には常設のレストランを設けていない。だからこそ、「今日はどこで、何を食べるか」から自由に決められる。気になったものを買って帰り、家族や気心の知れた友人とゆっくり食卓を囲む。そんな夜も、この宿にはよく似合う。
さらに、全5室にラウンジやキッチン、屋上テラスまで含めて利用できる一棟貸切プランも用意。懇親会や社員旅行など、京都に“自分たちだけの拠点”を持つような滞在も可能だ。
“何をするか”より“どう過ごすか”
〈Shizuru鴨川〉が考えるラグジュアリーとは、“滞在そのものが価値になる”こと。
朝、昼、夕方と表情を変える鴨川を眺める。気が向けば街へ出かけ、そうでなければ、そのまま宿で過ごす。食べたいものを買ってきて、自分たちだけの食卓を囲む。決められたプログラムではなく、気ままに時間を使えることこそ、この宿が提案する豊かさだ。
名所をいくつ巡ったかではなく、京都でどんな時間を過ごしたか。何度も京都を訪れてきた大人なら、そろそろそんな旅があってもいい。
京都を“巡る”旅から、“浸る”旅へ。〈Shizuru鴨川〉が与えてくれるのは、これまでにない大人の京都時間だ。

Shizuru鴨川
京都市下京区天王町145-1
TEL:075-361-6110
基本料金:1室2名利用4万2150円〜(サービス料・宿泊税別)
※ホテル1棟貸しプラン(全5室)35万円〜、キッチン利用5万円
https://shizuru.jp/
写真=西山 航 文=大内隆史





