履きこんでわかった名靴の真価、私の”思い出”ジェイエムウエストン

昔ながらの靴作りを頑なに守り続ける

靴業界きっての博識で鳴らす寺杣氏も、ジェイエムウエストンを長年愛用している。中でも思い入れの深いのがこの一足だ。

「この靴を買ったのはかれこれ16年程前になりますかね。それ以前にも『180』口ーファーなんかをよく履いていたのですが、ある日フランスの地下鉄に乗っていたところ、この『ハント』をスーツに合わせて履いていた人を見かけたんです。それが強烈にカッコ良くて、すぐさま購入してしまいました。それから16年、大切に履いているのですが、この靴、ゴツい見た目に反して驚くほど履き心地がいい。足に吸い付くような感触で、重さをまるで感じません。また通気性にも優れていて、暖かい時期に履くのにも適しています」

寺杣敦行さん
ジェンティーレ東京代表 寺杣敦行さん
’66年生まれ。大塚製靴を経て独立。現在は伊の子ども靴「ペペ」の輸入&フィッターを行う。

寺杣氏が初めてジェイエムウエストンを手にしたのは大学生のとき。ずっと憧れの靴だったという。「バイトの時給が5?600円の時代、ジェイエムウエストンの口ーファーが5万円台でしたから、高嶺の花でしたね。その後ローファーは随分気に入って、素材違いを色々買いました。」

部材ひとつまで徹底的にこだわる姿勢に驚嘆した

「ジェイエムウエストンはですね、品質が本当に凄いんです。一切手抜きなし。特に部材の良さには徹底してこだわっています。たとえば、見た目からは分からないソールに関しても、履くと品質の良さを実感できます。軽くて、返りが良くて、水はけも良くて、カビが生えにくく靴底ひとつとっても、数え切れないほどの優れた点があります。もちろん、製造工程も本当に昔のままで、愚直とも言えるほどに誠実に伝統の製法を守り続けています。これがフランスのプライドなんでしょうかね」

677
677
通称「ハントダービー」。ノルウィージャン製法による、武骨な作りがその特徴。見た目にも大迫力だ。靴底はトウにスチールチップを打ち込んだレザーソール。29万円

現在、寺杣氏は自身が輪入する靴のシューフィッターを自ら務めている。職業柄、靴の履き心地には並々ならぬこだわりを持っているそうだ。

「靴は健康の元。足に合った快適な靴を選ぶといつことは、靴を履くうえで最も重視するポイントだと思っています。そんな私から見てもジェイエムウエストンは素晴らレい靴。今後もこの姿勢を貫いてほしいですね」

ファンも納得! 充実のスペシャルオーダー

ジェイエムウエストンの直営店では、スペシャルオーダーサービスと呼ばれるパターンオーダーも受け付けている。約100種のアッパーと多種のソール、25種のステッチカラーを組み合わせてオーダーすることができ、左右の足で別々の足長・ウィズを選択することも可能だ。既存のモデルをベースに仕様を変更することはもちろん、現在廃番になっている過去のモデルを個人的に復刻することもでき、コアなファンも納得の内容になっている。

バンチ
スペシャルオーダー時に使用する皮革の見本とステッチの見本が入ったバンチ

写真の2足は、スペシャルオーダーのサンプル。2種類のアッパーをコンビ使いしたり、ソール裏にスパイクを打ってゴルフ用のシューズを作ることも可能だ。ちなみに、靴だけでなくベルトや革小物、鞄もスペシャルオーダーの対象になっている。自分だけの一足を作ったら、それに合わせてレザーグッズをトータルコーディネートするのも面白い。素材やモデルによりオーダー価格は異なるが、すべて専用ボックスとシューツリーが付属する。納期は約4ヶ月?。

ジェイエムウエストンのスペシャルオーダーでつくったプレーントウ
プレーントウ 17万9000円〈スペシャルオーダー価格〉
ジェイエムウエストンのスペシャルオーダーでつくったゴルフシューズ
ゴルフシューズ 16万7000円 キルト 1万1000円〈スペシャルオーダー価格〉

2025

VOL.343

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