ファッション性だけでなく実用性でも虜になる
オールデンの定番として知られるタンカーブーツだが、実は血脇氏の強い要望で誕生した日本別注モデルだということをご存じだろうか。
「このブーツは1995年に発売したもので、私がいろいろと本国にリクエストを出して作った思い出深いモデルなんです。私が特に好きな木型のひとつがミリタリーラストなのですが、当時このラストを採用したモデルは外羽根プレーントウのオフィサーシューズしか存在せず、しかも素材はカーフのみでした。そこで、オールデンの顔であるシェルコードバンを使って、ミリタリーラストの新傑作を作ろう!と意気込んで、このモデルを別注したんです」
写真は誕生当初から18年間、血脇氏が愛用している一足。その魅力を氏はこう語る。
「ひと目でオールデンとわかるデザインや素材はご覧のとおりですが、履いて初めてわかるのは、武骨な外見と裏腹に履き心地が最高なこと。ミリタリーラストは第二次世界大戦時に開発された軍靴用ラストで、長時間履いて、歩き回っても疲れないよう設計された木型。その快適性は、これだけ重厚なデザインでも全く損なわれていません。返りのよいソールとも相まって足に馴染むのも意外と早く、実用性にも大変優れているんです。ファッションとしてはもちろん、歩くための”道具”としても最高。他の靴にはない、それがオールデンならではの魅力だと思います」