ジョン・ロブの歴史を知る

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創業者ジョン・ロブ氏が生まれたのは1829年のこと。ロンドンで修行を終えた氏はオーストラリアに渡り、1858年に自身の名を冠した靴作りを始める。当地で成功を収めた氏は英国に戻り、1862年には万国博覧会で金賞を受賞。翌年には英国皇太子の公認靴職人に任命された。

1866年、ジョン・ロブ氏はロンドンのリージェント・ストリートに第一号店をオープン。政財界のエリートも多く顧客に抱えるようになる。その後1902年にはパリに進出。その名をさらに広めていった。’40~’50年代には、現在の定番「ウィリアム」や「ロペス」といったモデルの原型も、ビスポーク靴として考案されている。

創業者ジョン・ロブ氏の肖像

英国の伝統技とパリの気品(エレガンス)が出会った時唯一無にの”王者”は生まれた

こうして、ビスポーク靴メーカーとして名を馳せたジョン ロブに転機が訪れたのは1976年のこと。パリ支点の閉鎖に伴い、エルメスが同店とブランド商標を取得。ジョン ロブが誇るビスポーク靴の品質を既製靴で表現する計画を始動させ、82年に初めて既製靴コレクションを発表した。これが通称「ジョン ロブ パリ」と呼ばれる現在のジョン ロブなのである。

上:1902年にオープンしたパリ1号店。当時はビスポーク靴の専門店だった。
下左・右:1945年は「ウィリアム」、1950年には「ロペス」の原形が考案された。どちらも現在の形にかなり近いデザインだ。

ジョン ロブの広告ポスターに記された"190"の文字は、その工程数を表している。しかも、各工程を担う職人の腕は超一流。究極の技術と手間を惜しみなく投入して初めて、ジョン ロブの靴は生みだされるのだ。

ジョン ロブの既製靴は、’94年に設置されたノーサンプトンの工場で作られる。ここでは、100年を超えるビスポークの歴史で培った技術をもとに、1足あたり190工程という膨大な手間をかけ、既製の究極を目指す靴作りが行われている。いっぽうデザインに宿るエレガンスは、世界のファッションを牽引するトップブランド、エルメスの傘下ならではのものだ。

芸術品と呼ぶに相応しい別次元の存在感

ビスポークブーツメーカーとして始まったジョンロブ。その伝統を味わえるビスポーク(フルオーダー)サービスも国内で展開している。ラスト職人による綿密な採寸ののち、パリのモガドー通りにあるアトリエで作られる一足は、まさに靴の芸術といえる。価格は98万円~

©John Lobb/Hermes

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