“スーツな男”の新「一生」定番
今、品と格の時代です。
25年前、小誌創刊号の大特集はこのフレーズから始まった。シャツの流儀、ジャストフィットなスーツの必要性、ディテールから見るモノの価値、服、靴、時計、車…etc.以来毎月25年、288冊にわたり、品と格を追求し続けた。なぜなら単純に、どの時代でも大人の男に大切だったから。
そして25年の積み重ねを経て、今回我々が選んだ言葉は「トラッド」。
トラッドについて、装いに精通する識者の方々に伺うと、「トラッドとは」と語ったりはしない。日々ご自身が大切に考えているモノの持ち方、装い方、スタイルの美学、今これから大事にしていきたいモノ・コト・暮らし……。そんな話の最後に「そういうことなのかな」と仰る。装いに意識のある人たちが、日頃いちいち口にはしなくても、めまぐるしく変わる生活環境のなかで、大切にしたいと思っている着方、生き方の指針、ということだ。
ファッション業界の重鎮、赤峰幸生氏が我々に問うた。「トラッドを日本語にしたら何だと思う?」
そう、本質を共有するための言葉が必要だ。品と格の25年の先に見る、男のこれからの指針を我々の言葉で回答させていただこう。
さて、25年で見えてきたものは何だったか?
何年経っても”トラッド”は裏切らなかった。そしてこれからも
“トラッド”は、いつの時代も男たちを裏切らない。このスタイルでいれば間違いないという不変の魅力がある。だからといってトラッド自体は必ずしも不変ではない。そのときどきの空気感を取り入れて微妙な進化を遂げてきたからこそ、魅力が廃れず、男にとって常に頼れる普遍の存在(スタイル)であり続けているのだ。