新型BEVとともに始まるスズキの電動戦略。充電サービスが支えるEVの現実解

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スズキ充電サービス

全国ネットワークと月額無料が描く、実用主義ブランドのインフラ構想

2025年9月、スズキはブランド初のグローバル戦略BEVであるSUV「eビターラ」を発表し、本格的にEV市場へ参入。その流れを受け、12月1日から開始されたのが、EVユーザー向けインフラ支援策「スズキ充電サービス」である。

本サービスでは、全国118拠点(2025年12月1日時点)のスズキ販売店に設置された充電器に加え、エネゲートが運営する公共充電ネットワーク「エコQ電」に対応する約3,300基の充電器が利用可能となる。エコQ電は、高速道路SA・PA、道の駅、大型商業施設などの主要動線に急速充電器を展開する国内有数のプラットフォームで、外出先での“つぎ足し充電”を現実的な選択肢とする存在だ。市街地走行からロングドライブに至るまで、日本の移動実態に即したカバレッジを形成している。

利用方法は、専用の「スズキ充電カード」を充電器にかざすタッチ認証と、スマートフォン用「スズキ充電アプリ」からのアプリ決済の二方式。アプリには充電器マップ機能を備え、現在地周辺や目的地付近の利用可能スポットを瞬時に検索できる。EV利用における最大の心理的障壁である“次に充電できる場所が見えない不安”を、確実に取り払う設計だ。

料金体系は極めてシンプル。会員登録料・月会費は無料(カード発行料2,200円のみ)で、支払いは利用した充電器ごとに設定された料金に基づく実費精算となる。多くのスズキ販売店では、充電量に応じたkWh従量課金方式を採用し、時間制課金に比べて納得感の高い制度を構築。実際に使った電力量に応じて支払うという合理的な仕組みは、日常使用との親和性が高い。

さらにeビターラ購入者には、導入から3年間、全国42店舗のスズキ販売店設置充電器を特典料金で利用できる優遇制度を用意。自宅充電とディーラー充電を基礎とし、外出時には公共ネットワークを柔軟に併用するという、現実的なEV運用モデルを支える。また、支払いに「スズキカード」を登録すれば、日常のカード利用で貯めたスズキポイントを充電料金へ直接充当でき、電動車との暮らしを生活経済圏の延長線上に組み込む工夫も施されている。

新型車投入と同時期に発表されたインフラへの取り組みは、日常に根差した電動化を見据え、実用主義を貫いてきたスズキならではの着実な一歩といえるだろう。

スズキ

https://www.suzuki.co.jp/

スズキ(株)お客様相談室
0120-402-253(9:00〜12:00、13:00〜17:00)

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