[ブランド学／2]
FENDI（フェンディ）
リュクスと遊び心を融合させるイマジネーションの追求

フェンディのクリエイションにおける根幹は、常にイマジネーションの追求にある。その象徴的な事例が「バゲット」や「ピーカブー」といったアイコン鞄だ。過去には数々のアーティストや著名人とのコラボレーションも展開し、日常の中に驚きと喜びをもたらしてきた。伝統技術や素材を守りつつ、斬新なアイデアや意外性を大胆に取り入れることで、フェンディならではの独自性を際立たせている。また、近年発表された「ハンド・イン・ハンド」プロジェクトにおいて「バゲット」は、イタリア各地で受け継がれてきた職人技との協業を実現し、数々の逸品を生み出した。これはまさにブランドが世代を超えて革新を続けるための哲学そのものであり、創業家の精神と先見性、そして現代のクリエイティブの融合によるものだ。フェンディのイマジネーションは、日常にちょっとした魔法をかけるように、常に新しい世界を切り拓いているのだ。

機能を超えた創造力の表現を常に追い求める

創造性を追求する活動の一つが、地域の伝統技術を持つ職人とフェンディの職人が協力する「ハンド・イン・ハンド」プロジェクト。バケットバッグは、各国の伝統工芸士とともに“地域の手仕事”を未来へつなぐ。ピーカブーは現代アーティストとの協働で“現代的な創造力”を可視化する。フェンディは両者を通して創造力を世代や地域を超えて受け渡すビジョンを体現している。

［MEN’S EX Autumn 2025の記事を再構成］（スタッフクレジットは本誌に記載）
※表示価格は税込み