フェンディのロゴの由来はリス?創業100年、“女系ファミリー”の団結力

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[ブランド学/2]
FENDI(フェンディ)
強固な基盤を築き上げたファミリーの結束

創業者のアデーレ・フェンディ(右)と夫のエドアルド(左)

創業者のアデーレ・フェンディは休む間もなく働き続け、夫のエドアルドは「リスのように忙しい」と後にロゴとなるリスの絵を彼女に贈った。アデーレの勤勉さと情熱が、世界的ブランドへと導く確かな推進力となった。

ロゴとなるリスの絵

両親の意思を受け継いだ“女系ファミリー”の団結力

女系ファミリー
©Cristina Ghergo-Archivio Ghergo

フェンディ創業者夫妻の娘である5姉妹は、強い結束で家族経営を守りながら、時代の感性を巧みに取り込み、ブランドの輪郭を広げ、その世界観をより多くの人々へと届けた。まさに、その存在自体がブランドの奇跡の軌跡といえる。

フェンディを支えた5姉妹の揺るぎない結束

フェンディを語るうえでまず目を向けるべきは“5姉妹の存在”だろう。創業者、アデーレ・フェンディと夫エドアルドの後を継いだ、アンナ、カルラ、パオラ、フランカ、アルダの5姉妹は、それぞれが異なる個性と強みを発揮しながら、ブランドを共同運営してきた。イタリアの家族経営において、複数の姉妹が均衡を保ちながら結束し続けた事例は稀であり、この連携こそがフェンディの基盤を強固にした。5姉妹は、単なる血縁による共同経営ではなく、それぞれの得意分野を活かして役割を分担してきた。

ある者はデザインに、ある者は経営に、また別の者は広報活動に注力し、相互補完的にブランドを支えた。複数人の経営陣が存在すると対立が起こりやすいものだが、姉妹たちはお互いの考え方や立場の違いを尊重しながら、意見の違いを超えて一致団結する力を発揮した。その結束は、後にカール・ラガーフェルドをクリエイティブ・ディレクターとして迎え入れる大胆な決断にもつながり、ブランドの飛躍を支える基盤となっていった。また、5姉妹が経営の中心だったことは、男性中心だった20世紀半ばのイタリア社会において極めて先進的であり、女性として時代を切り開いた先駆性は、ブランドの精神を支える不滅の物語ともいえよう。

ローマ生まれの小さな工房が世界のラグジュアリーブランドとして大成功

ファー工房併設の皮革小物店として始まったフェンディ

1925年、ファー工房併設の皮革小物店として始まったフェンディは、クラフツマンシップと革新性を武器に成長。世界が注目するラグジュアリーブランドへと飛躍を遂げ、ローマの気品と情熱を体現する存在となった。

ファー工房併設の皮革小物店として始まったフェンディ


[MEN’S EX Autumn 2025の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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