装い、時計のプロが語るファッション×時計の楽しみ方(後編)

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各ジャンルのプロがリコメンド
ファッショントレンド×最新腕時計、その楽しみ方のコツ

前編に引き続き、スタイリスト四方章敬さんと「ブリッラ ペル イル グスト」ディレクターの小林順平さん、そして時計Begin編集長の関口真弘さんの3名が、本特集で紹介したコーデを例に、今らしい時計と装いの合わせ方について語り合った。

四方章敬さん

スタイリスト
四方章敬さん
ドレスの確かな知識とトレンド咀嚼力から、本誌を含め数多のファッション誌やWEBメディアで活躍する売れっ子。時計にも造詣が深く、ジェンタデザインのラグスポからカラトラバまで複数本所有。

小林順平さん

ブリッラ ペル イル グスト ディレクター
小林順平さん
ビームスの販売スタッフを経てプレスとして7年間活躍。’21年にビームスのオリジナルブランド「ブリッラ ペル イル グスト」のディレクターに。品のある、都会的な大人スタイルを提案している。

関口真弘さん

時計Begin編集長
関口真弘さん
編集者歴15年のほとんどをモノ雑誌『Begin』で過ごした後、’23年春から『時計Begin』編集長に。四方氏、小林氏には若い頃からお世話に。ちなみに過去には本誌にも在籍経験あり。

>>特集一覧はこちら


人気のオールブラック時計は素材や加工で印象が変わる

M.E. [6]のコーデ。こちらは一転してオールブラックの「チューダー ぺラゴス FXD クロノ “サイクリング”」(参照記事)を黒の細畝コーデュロイジャケットに合わせています。

6.黒の細畝コーデュロイジャケット

四方 スポーティなクロノグラフですから、ドライブなどアクティブなシーンをイメージしてコーデしてみました。

小林 黒×白のモノトーンでまとめた装いにオールブラックの時計はやっぱりハマるな。黒×白の組み合わせは妙なモード味も出がちですが、コーデュロイの素朴さがあるから、誰でも気軽に真似できそうなスタイリングです。

四方 そもそもこのチューダー自体も光沢を抑えたマットな黒だから、いろんな大人の着こなしにハマると思います。

関口 ケース素材はカーボンコンポジット。アンミカさんによれば黒は300色あるそうですが(笑)、実際、一口にオールブラックといっても、使用する素材や表面加工の違いで黒の印象はかなり異なります。このところずっと人気が続くオールブラックの時計が欲しければ、ぜひ店頭でいろいろと見比べるべきです。

M.E. 続いて[7]に行きましょう。グレーのオーバーサイズコートに、グランドセイコーの「SLGA025」(参照記事)を装着しました。

7.グレーのオーバーサイズコート

小林 モノトーンのシンプルな着こなしか大人っぽいですね。クラシックな時計が似合いそうですが、ある程度主張がないとコートに負けてしまう。グリーン文字盤のグランドセイコーは最適な選択。

四方 よく見ると繊細なダイヤルパターンが刻まれていて、見る角度で微妙に色合いを変えるんですよね。たしかこのエメラルドグリーンは長野県の景勝地である阿寺渓谷の清流をイメージしたとか。

関口 グランドセイコーは日本各地の美しい景色から着想したカラーダイヤルのモデルを以前から頻繁に発表しており、毎回それが海外の時計ファンにも非常に好評。時計界のカラーダイヤルブームを牽引する存在と言えますね。


ノーチラスのデニムブルーは世界的な争奪戦必至

M.E. そして最後の[8]は、オフ白のムートンにパテック フィリップの「ノーチラス」の新作クロノグラフ(参照記事)を合わせたコーディネートです。

8.オフホワイトのムートンジャケット

関口 旬のブルーカラーが生えるリッチな組み合わせですね。

小林 メンズのムートンジャケットはミリタリーライクなデザインのものが多いせいか、色はブラックやブラウンが定番ですが、こういうライトなカラーだととたんに都会的ムードが漂いますね。

四方 このノーチラスは、文字盤とストラップを、色褪せたデニムを思わせる繊細なブルーで統一。以前ノーチラスはティファニーブルー文字盤を発表し、話題をさらいましたが、こういうちょっとしたヒネリも、遊び心ある大人にはたまらない。それにしても今の時計界は、本当にカラーダイヤルが花盛りですね。

関口 時間を見るならスマホでもOKな時代。腕時計はますますファッションピースやアートピースとしての側面を強めており、その流れで文字盤は、そのブランドの高度な技術や美学を示すカラーパレット化していると思うんです。

M.E. というわけで、皆さんに8つのルックについてアレコレ語りあっていただきましたが、最旬トラッドに絡めて最新時計を紹介した本特集について最後に何か思うことがおありでしたら……。

小林 クラシックやトラッドと言われる定番服も、じつは微妙に素材やシルエットを進化させ続け、時代に対応しています。今回、下に挙げた、私がこの秋冬にお勧めしたいアイテムはまさにそう。特集で四方さんが選んだ視点とかぶるアイテムもありますので、ぜひ、どんな時計と合わせるか、想像していただければと思います。

四方 装いや時計を正統クラシックでまとめるのもいいものですが、印象を新鮮に見せたいのなら、そうした変化を恐れず取り入れるべきでしょう。

関口 同感です。次は時計ビギンでもこういう時計と装いとの特集をみっちりやってみたくなりました。

M.E. ありがとうございました。


TREND ITEM
小林ディレクター注目の秋冬アイテム

MONTECORE
ジップアップ ショートダウン ブルゾン

ジップアップ ショートダウン ブルゾン

軽量かつ伸縮性に富んだ生地で快適に着用できるシンプルなダウンブルゾン。幅広いシーズンに活躍する、エレガントな大人の1着。14万3000円(ビームス ハウス 丸の内)


TAGLIATORE
ガンクラブチェックジャケット

ガンクラブチェックジャケット

カントリー味の強いガンクラブチェックながら、配色にグレーを加えたことでぐっとモダンな印象に。芯地を排したアンコン仕立てで着用感も非常に軽快だ。12万4300円(ビームス ハウス 丸の内)


EMMETI
スエード ダウンベスト

スエード ダウンベスト

ベルベットのようなリッチな肌触りのゴートスキンスエードを使用。ニットやシャツとのレイヤードから、コートのインまで幅広い着こなしが楽しめる。17万500円(ビームス ハウス 丸の内)


Brilla per il gusto
カシミア クルーネック ニット

カシミア クルーネック ニット

綺麗な色味が目を惹く7ゲージ編みのクルーネックニット。毛足が長くしなやかなモンゴル産の上質カシミアを、脇に接ぎ目の出ないホールガーメントで編み立てたリッチな逸品。4万1800円(ビームス ハウス 丸の内)


お問い合わせ先

ビームス ハウス 丸の内 TEL03-5220-8686



[MEN’S EX Winter 2025の記事を再構成]
※表示価格は税込み。

2025

VOL.345

Spring

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