読書の秋、服に宿る物語を読み解く。
……すると見えてくる。装いの新たな愉しみ
ベルルッティの「フォレスティエール」から読み解く、自然と芸術の化学反応論
目下、往年のクラシックファンだけでなくデザイナーズブランドやヴィンテージ好きの若者からも熱視線が注がれるフォレスティエール。1947年、巨匠ル・コルビュジエからの「黒板に字を書くときに腕を上げやすいジャケットを」というオーダーによって誕生したこの名品は、フランスに伝わるワークウェアをモチーフにデザインされたもの。フォレスティエールという名がフランス語で“森の番人”を意味することからもわかるとおり、そのルーツは当地に息づく豊かな自然にある。そこにメゾンがコルビュジエの人物像から得たインスピレーションが融合され、不朽のアイコンジャケットへと昇華されたのだ。いわば、自然と芸術の化学反応が生んだ名品なのである。
以来、時代とともにアップデートを重ね、現在に受け継がれてきたフォレスティエール。その最新作は、しなやかさ極まるウールで仕立てられた一着。一枚仕立てともあいまって、まるでカーディガンのように軽快だ。ニットの上に重ねれば十分に暖かく、紅葉の景色を歩くのにもってこい。自然と芸術が生んだ歴史的マスターピースの魅力を味わいながら色づく木々を眺める粋を堪能してほしい。53万3500円(ベルルッティ・インフォメーション・デスク)
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ベルルッティ・インフォメーション・デスク TEL0120-961-859
[MEN’S EX Autumn 2024の記事を再構成]
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