ファッションとしてはもちろん、確かな品質も備えた本格眼鏡。鯖江の老舗から世界の有名メゾンまで圧巻の1000本以上の最新フレームを1冊に網羅した『本格眼鏡大全 2024』が発売中。その中身を一部ピックアップしてご紹介する。

EYEVAN 7285（アイヴァン 7285）

繊細かつ斬新な技巧で魅せる“現代の工芸品”

1972年、“着る眼鏡”をコンセプトにスタートしたアイヴァン。前述したように、ファッションとしてのアイウェアを日本で初めて提唱し、1985年にはアメリカに進出。世界からも注目される存在となった。その頃、当時の職人たちの最高の技術を駆使して作られていたのが、「アイヴァン クラフト」シリーズであり、それを現代に再構築したのがこのアイヴァン 7285である。

当時のデザインや製造方法をひもときながら、現代の技術やニュアンスでアップデートされたモデルは、いずれもクリーンなクラシックモダン。直近のコレクションでは、1990～2000年代を思わせるスタイルを取り入れ、モードな雰囲気もまとっているのが特徴だ。

製造工程においては技術的な制限を設けず、過去に捉われない自由な発想を、伝統的な製法と新しい技術とを巧みに組み合わせて形にする。その佇いは一見シンプルながら、ディテールへのこだわりは高度かつマニアック。これらは鯖江でも特に高い技術をもつ限られた職人の手により、約400工程もの作業を経て丁寧に創り上げられる。そのため技巧的ながら上品にまとめられているのが同ブランドならではの魅力。もはや工業製品というより、現代の工芸品とも言える贅沢な仕上がりだ。

過去への敬意をブランド名に

ブランド名は、アイヴァン設立の1972年から、世界進出を果たした1985年までの商品・コンセプトへの敬意から。鯖江の最高峰の技術を駆使する姿勢は、現在もなお貫かれている。