超複雑機構のしくみ④スプリットセコンド・クロノグラフとは?

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2022年に刊行された『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』の第2弾として、「複雑時計編」が発売となった。本書ではここ数年ブームが続いている複雑時計に絞って、その魅力的な機能や難解に動く「しくみ」を、とにかくわかりやすく解説。奥が深いさまざまな複雑機構のしくみをご紹介しよう。

クロノグラフの最上位機種
SPLIT-SECONDS CHRONOGRAPH(スプリットセコンド・クロノグラフ)

スプリットセコンドを直訳すると「分割された秒」。クロノグラフ秒針と同軸にスプリットセコンド針が備わり、ラップタイムや速度が異なる2者のゴールタイムが計測できるクロノグラフ機構の進化系である。別名ラトラパンテ。仏語で「追い付く」を意味するrattrapageに由来し、停止してラップタイムを示していたスプリットセコンド針が、再び計測を始める際、先に進んでいるクロノグラフ秒針に追い付くからこの名が付いた。

SPLIT-SECONDS CHRONOGRAPH(スプリットセコンド・クロノグラフ)
スタート時には重なって運針するクロノグラフ秒針とスプリットセコンド針は、個別にストップさせられ、2つに分割する。各針を正確に制御するには複雑な構造が必要となる。

パテック フィリップで学ぶ
スプリットセコンド・クロノグラフの読み方・使い方

2つの秒積算計針でラップタイムを計測

下のモデルでリューズと同軸にあるボタンは、スプリットセコンド針の操作用である。通常のクロノグラフと同じ操作でスタートさせれば、2つの針は重なって運針する。そしてリューズのボタンを押すとスプリットセコンド秒針は止まり、一方のゴールタイムやラップタイムを示す。その際、クロノグラフ秒針は動き続け、再びリューズのボタンを押すとスプリットセコンド秒針が追い付き、計測を再開する。クロノグラフ秒針はストップボタンを押すと止まり、重なって運針している時は両方止まる。2つの針が離れていても重なっていても、両方停止していれば一緒にリセットできる。

パテック フィリップ 「スプリット秒針クロノグラフ 5370P」
「スプリット秒針クロノグラフ 5370P」。メゾンを象徴するブルーのダイヤルは、伝統的な高温焼成エナメル製で豊かな質感を湛える。機構に加え、工芸的な美感にも秀でる。
リューズ同軸のスプリットセコンド用ボタン
リューズ同軸のスプリットセコンド用ボタンは、操作系が右側に集約され見た目がすっきりしている。スプリットセコンド用を操作がしやすい10時位置とするモデルも多い。

2024

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