2022年に刊行された『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』の第2弾として、「複雑時計編」が発売となった。本書ではここ数年ブームが続いている複雑時計に絞って、その魅力的な機能や難解に動く「しくみ」を、とにかくわかりやすく解説。奥が深いさまざまな複雑機構のしくみをご紹介しよう。
現在時刻を鐘の音で知らせる
MINUTE REPEATER(ミニッツリピーター)
複数のゴングをそれぞれに備わるハンマーが打ち分け、現在時刻を知らせる複雑機構をリピーターと呼ぶ。照明がなかった17世紀後半、夜間に時刻を知るためにクロックとして発明され、その後リピーター機構が備わる懐中時計が登場した。初期には15分単位で時刻がわかるクォーターリピーターだったが、後に5分単位までのファイブミニッツリピーター、さらに1分単位まで打ち分けられるミニッツリピーターへと進化していった。
カール F. ブヘラで学ぶ
ミニッツリピーターの使い方
スライドレバーを作動させると3つの音色で時刻を知らせる
一般的なミニッツリピーターには、高音と低音の2つのゴングが備わる。ケースサイドのレバーを下にスライドすると、まず現在時刻の時単位(アワー)の数(1時の1回~12時の12回)を低音で打ち、続いて15分単位(クォーター)の数(15分未満の無音~45分以上の3回)を高音と低音の交互の組み合わせを1セットとした音色で奏で、最後に15分に満たない分単位(ミニッツ)の数(1分の1回~14分の14回)が高音で鳴る。12時59分なら、アワーを12回、クォーターを3回(15分×3=45分)、ミニッツを14回(14分、クォーターと合わせて59分)打つ。
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『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ【複雑時計編】』
定価:2,420円(税込)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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