Q. 多芸ダブルの定義とは?
長らく続いたカジュアル偏重から心機一転、久々にスーツを買い足してみたい。そんな気分になっている服好きはきっと多いはずだ。しかし、いざ選ぶとなると、“ところで今、どんなスーツを買えばいいんだろう……?”と、浦島太郎のような心持ちになる人も多いだろう。
そこで本誌がスーツ再開の一手としておすすめしたいのが「多芸ダブル」。すなわち、仕事着/洒落着、ドレスアップ/カジュアルダウンの壁を飛び越えて万能に着られるダブルブレストこそ、今、真っ先に買い足すべき一着と断言しよう。では、その定義とは?
第一に、❶あくまで本格仕立てであること。シャツのような極軽ダブルはカジュアルに着るのには便利だが、タイドアップには向かないからだ。
第二に、❷ローゴージ。これは今の観点からするとクラシックにもモダンにも映り、ゆえに装いの対応幅も広くなる。
最後に❸クリーンな肩。パフスリーブのように誇張的な雨降らし袖ではなく、柔らかでありながら端正さも備えた仕立てが望ましい。
この三要件を満たす一着なら、新時代的なスーツの装いを存分に楽しめるはずだ。
Kiton
サラリと着流しても絵になる極上のハンドメイドスーツ
キートンの中でも最高級モデルに位置づけられる「LASA」。極上のファインウール生地はほのかな艶を放ち、贅沢極まる肌触りを味わえる。ほぼ全箇所が手縫いで仕立てられ、かつその縫製は圧倒的に精緻。軽やかでいて品格にあふれた佇まいは、どんな装いにも最高のエレガンスをもたらしてくれる。113万3000円/キートン(ストラスブルゴ カスタマーセンター)
[MEN’S EX Autumn 2023の記事を再構成]
※表示価格は税込み。