汗臭さを消しさりラグジュアリーなミドシップスポーツカーへ
ロータスというブランドに皆さんはどんなイメージをお持ちだろうか。筆者と同世代(アラカン)ならばJPSカラー(黒に金ストライプ)で一世を風靡したF1マシンかサーキットの狼のヨーロッパを思い出すだろうし、上なら創始者コーリン・チャップマンの作り出すスポーツカーやレーシングカー群、下ならエリーゼやエキシージといったスパルタンなスポーツカーたち、だろうか。いずれにせよ、よく知っているのは熱心なカーマニアだけであって、“名前は聞いたことがあるけどよく知らない”というのがたいていの反応というものだろう。
よく知らない方はとりあえず「英国の老舗でレーシングカーとスポーツカーを作らせたら世界でもピカイチのブランド」だと思っていただければ間違いない。そして、そんなロータスが今、大転換期を迎えている。
実はロータスは今、中国の吉利汽車(ジーリー)傘下である。メルセデス・ベンツの大株主でもあり、ボルボを再生させた大資本だ。そして当然の成り行きながら電動化に力を入れている。100%電気自動車(BEV)のスーパーSUV、エレトレもデビューを果たし日本でもオーダーを受け始めた。一方でスポーツカー分野においては2000psのハイパーBEVエヴァイアをすでにローンチしている。電動ブランドとして再生を始めたというわけだ。
もっとも、エヴァイアとエレトレだけという市販車ラインアップではこれまでのロータスのイメージとあまりにかけ離れてしまう。もう少しリアリティある選択肢を、ロータスらしくコンパクトなスポーツカーで……。そんなコンセプトで誕生したのがエミーラだ。