傑作腕時計の肖像【グランドセイコー後編】

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傑作時計の肖像
その端正な面持ちはスーツにも相性よし。

HOW TO STYLE

傑作時計の肖像その端正な面持ちはスーツにも相性よし
時計(エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001)181万5000円(セイコーウオッチお客様相談室(グランドセイコー))、ジャケット17万500円、パンツ5万600円/以上カルーゾ、シャツ2万7500円/イレーヴ、スカーフ2万2550円/アネー(以上グジ 東京店)

本来はスポーツウォッチに類するクロノグラフだが、「SLGC001」は研ぎ澄まされた端正さもあわせ持つ一本。それゆえ、セットアップスーツに合わせてもサマになる。とはいえ、本誌がおすすめしたいのは“ビジネスではないスーツスタイル”。たとえば、リラックスフィットのダブルスーツにバンドカラーシャツ、首元にはスカーフというファッショナブルな装い。フレンチムードとともにやや甘さも感じさせるいでたちだが、手元に「SLGC001」を効かせることでグッと引き締まった印象に。硬軟織り混ぜた、上級者感漂うスタイリングだ。


日本人ならではの美学を宿す「エボリューション9スタイル」

こちらの記事で紹介した「SLGC001」、そして下に紹介する3本はすべて、「エボリューション9スタイル」という文法のもとに誕生している。1967年から続く「セイコースタイル」を発展させ、2020年に誕生したデザインコードである。

その中核をなすのが、以下3つのプリンシプルだ。第一に、「審美性の進化」。これは“光と陰”を日本人的な美意識によって描き出すことを主眼とする。歪みなく磨き込まれた平面と曲面を一体化させ、輝く光と深い陰、そして両者の境界にある“ほの明るさ・ほの暗さ”の美を浮かび上がらせているのが特徴だ。

第二に、「視認性の進化」。これは針やインデックスの形状など、あらゆる細部の造形を作り込み、腕時計の本懐である“見やすさ”を突き詰めたものだ。

第三は、「装着性の進化」。ケースの重心を下げ、ラグ幅を広くとることで腕へのフィット感を向上させている。

「世界最高級の腕時計を作る」という決意から生まれたグランドセイコー。エボリューション9スタイルは、そんな挑戦の新時代を担うデザイン思想なのだ。

2024

VOL.342

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