自動巻きのしくみ
腕の動きでローターを動かして主ゼンマイを巻き上げる
時計を着けた腕が動くと、重力方向が変わってローターも動く。自動巻き機構は重力を味方につけ、人が着けているだけで時計は動き続ける。
重力の力で動くローター

自由に回転するローターは、常に重力で地表面方向に引っ張られている。だから時計を着けた腕が動いて時計の向きが変わると、重力でローターが動くのだ。ローターは左右どちらにも回るので、香箱を逆回ししないよう、一方向を空回りさせる自動巻きを片方向巻き上げと呼ぶ。上の図は、ローターがどちらに動いても香箱を巻き上げる方向に回転が伝わる、回転方向の切り替え装置が備わる両方向巻き上げ機構の一例。
重力によるローターの回転力は、リューズを手回しするよりもはるかに小さい。そこで香箱との間に2つの減速歯車を設置して、ローターのトルク(回す力)を増幅し、香箱真を取り付けた角穴車を回している。自動車やバイクが発進時と坂を上る際、ローギアにするのと同じ理屈だ。
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