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本社ビルの入り口にディスプレーされた垂直離着陸可能の戦闘機『ハリアー』
本社ビルの入り口にディスプレーされた垂直離着陸可能の戦闘機『ハリアー』。“これまでの常識を覆すこと”にこだわるジェームズ・ダイソン氏にインスピレーションを与えた発明の一つ。

総額で1700億円もの投資がなされ、さらに進化し続けるダイソン。英国本部の社員や研究員の話を聞くと、現在はシンガポールに本社を置き、世界各地に支社を持つ、まさにグローバル企業に成長した今でも、“やるとなったらとことん追求しないと気が済まない”という、研究し、発明し続けることに興奮する創業者の精神が脈々と受け継がれていることが分かった。

デザイン・マネージャーのケイトン・パテル氏とシニア・サイエンティストのマフュー・リー氏
“ダイソンの現在地”を語ってくれたお二人。右がデザイン・マネージャーのケイトン・パテル氏。1987年ロンドン生まれの34歳。その口調からはダイソンで働く楽しさが伝わってきた。左はシニア・サイエンティストのマフュー・リー氏。1991年ケンブリッジ生まれの30歳は科学者らしい冷静沈着さの持ち主。

「ダイソンは、“ベストな製品”を提供する企業です。美しいが性能が伴っていない製品、その逆に機能は高いが使い勝手の悪い製品があります。ダイソンの場合はどこかに不満が残る製品は決して市場に出しません。美しいデザインとともに、全ての機能で最高だと言われるものを作りたいのです」

<p><small>近年の英国での次世代エンジニア育成に対する懸念に対して嘆いたジェームズ氏は、自ら2017年にマルムズベリーの英国本部内に大学を設立。1997年から有料となった英国大学に反旗をひるがえし、授業料は無料。それどころか、学生はダイソンの研究所で働くことで給料までもらえる。革新的なエンジニアリングの講義に加え、実際に業界最先端の環境で実践経験も積むことができる大学には、20倍以上の応募が集中。そして選び抜かれたエンジニアの卵がこの寮で生活する。</small></p>

近年の英国での次世代エンジニア育成に対する懸念に対して嘆いたジェームズ氏は、自ら2017年にマルムズベリーの英国本部内に大学を設立。1997年から有料となった英国大学に反旗をひるがえし、授業料は無料。それどころか、学生はダイソンの研究所で働くことで給料までもらえる。革新的なエンジニアリングの講義に加え、実際に業界最先端の環境で実践経験も積むことができる大学には、20倍以上の応募が集中。そして選び抜かれたエンジニアの卵がこの寮で生活する。

<p><small>学生寮の内観。北欧風の木造造りで眺めも抜群。こうしたクリエイティブな環境の中で次世代のエンジニアが育つ。</small></p>

学生寮の内観。北欧風の木造造りで眺めも抜群。こうしたクリエイティブな環境の中で次世代のエンジニアが育つ。

今回、2日間かけて近年のダイソンに関するブリーフィングを受け、研究所を見学、最後にデザインの責任者とシニア・サイエンティストの2人にインタビューした。

ダイソンに勤務して11年というデザイン・マネージャーのケイトン・パテル氏は1987年ロンドン生まれの34歳。この2日間、ダイソンの英国本部で過ごし、大食堂で大勢の社員とともにいただいたランチ(これがヘルシーなメニューが豊富でびっくり。ここでもクオリティに対するこだわりを感じさせた)に舌鼓を打ったが、1993年設立の若い企業に比例して、とにかくスタッフが若い。ファッションセンスも様々で、社内には自由な気風が満ちている。パテル氏もそんなダイソンのデザイナーに相応しい、自由で聡明な頭脳の持ち主だ。そして口を開くと、どんどん創業者ジェームズ氏譲りの“熱”がその言葉にこもってゆく。

「うちでは社員とその家族に試供品を社員でモニター利用するんです。実際に家庭で使って、その感想を集め、その本当の使い勝手を知るというわけです。そして集まった意見と感想に従い、改良に改良を重ねます」

<p><small>近年の英国での次世代エンジニア育成に対する懸念に対して嘆いたジェームズ氏は、自ら2017年にマルムズベリーの英国本部内に大学を設立。1997年から有料となった英国大学に反旗をひるがえし、授業料は無料。それどころか、学生はダイソンの研究所で働くことで給料までもらえる。革新的なエンジニアリングの講義に加え、実際に業界最先端の環境で実践経験も積むことができる大学には、20倍以上の応募が集中。そして選び抜かれたエンジニアの卵がこの寮で生活する。</small></p>

近年の英国での次世代エンジニア育成に対する懸念に対して嘆いたジェームズ氏は、自ら2017年にマルムズベリーの英国本部内に大学を設立。1997年から有料となった英国大学に反旗をひるがえし、授業料は無料。それどころか、学生はダイソンの研究所で働くことで給料までもらえる。革新的なエンジニアリングの講義に加え、実際に業界最先端の環境で実践経験も積むことができる大学には、20倍以上の応募が集中。そして選び抜かれたエンジニアの卵がこの寮で生活する。

<p><small>学生寮の内観。北欧風の木造造りで眺めも抜群。こうしたクリエイティブな環境の中で次世代のエンジニアが育つ。</small></p>

学生寮の内観。北欧風の木造造りで眺めも抜群。こうしたクリエイティブな環境の中で次世代のエンジニアが育つ。

<p><small>研究所内に並ぶ超ハイテク機械。これでミクロの世界をクリーンにする掃除機の複雑な形態の部品をゼロから作り出す。</small></p>

研究所内に並ぶ超ハイテク機械。これでミクロの世界をクリーンにする掃除機の複雑な形態の部品をゼロから作り出す。

<p><small>細かいひだがついた特殊ネジ。ダイソンのサイクロン機能をさらに進化させる独自の部品。</small></p>

細かいひだがついた特殊ネジ。ダイソンのサイクロン機能をさらに進化させる独自の部品。

<p><small>世界中から集められたカーペット。もちろん中には日本の畳もある。</small></p>

世界中から集められたカーペット。もちろん中には日本の畳もある。

<p><small>世界の床にはそれぞれ異なった素材が使われる。自社内に微生物研究ラボを設け、世界のあらゆる床をミクロの世界までクリーンにする研究を重ねるのは、“妥協なき探究心”のジェームズ氏が創業したダイソンらしい。現在のサイクロン掃除機は文化の違いにも対応する秘密がここにある。</small></p>

世界の床にはそれぞれ異なった素材が使われる。自社内に微生物研究ラボを設け、世界のあらゆる床をミクロの世界までクリーンにする研究を重ねるのは、“妥協なき探究心”のジェームズ氏が創業したダイソンらしい。現在のサイクロン掃除機は文化の違いにも対応する秘密がここにある。

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