――なんとストイックな!! ボクシングやブラジリアン柔術も以前からやっていらっしゃいましたが、アクションシーンに役立った？
玉木 ボクシングは週1くらい、柔術の稽古は毎日です。毎朝5時前後に起きて、朝から道場で汗を流すと、頭がリセットできてめちゃくちゃスッキリします。いつアクションの仕事が来てもいいように準備のつもりで始めましたが、途中からそれを超えてもう楽しくなっています。
――大ヒットシリーズの最終章『ジュラシック・ワールド／新たなる支配者』も公開間近。主人公オーウェンの日本語吹き替えを、3作連続で担当されます。
玉木 主演のクリス・プラットさんの呼吸に合わせていくことや、英語への日本語の当て方など、毎回テクニック上の難しさを感じています。恐竜が出てくるシーンは迫力を増していますし、シリーズの最初から見てくださっている方にとっては『ジュラシック・パーク』で活躍していた博士たちが再登場するなど、見どころがたくさんあります。
――現在42歳。充実したキャリアを重ねていらっしゃいますが、若い頃はどんな40代を思い描いていましたか？
玉木 若い頃は、40代の自分を想像できませんでした。僕が夢を抱いた当時は、テレビと映画がほぼ全てでしたが、芸能界、俳優、メディアのあり方も変化してきている。昔は憧れだけで、責任を感じることは少なかったですが、夢を与えるとされる立場になって、今の若い世代やご家族に、テレビや映画を見てもらい、作品の良さを伝えることの難しさを痛感しています。自分が親になったことも大きいと思います。守ってあげなければという気持ちがありつつ、子どもが伸び伸びとやりたいことができる環境を作っていくのが親の役目。後輩たちにも、何かそういう場所を提供していかなくては、という思いもあります。だから、「折れる」ということを知ったのかなと思います。ここは折れて、自分ではなく若い世代に託して、それでいいものが作れればいい。これまで以上に、自分ではなく、次の世代のために、と考えることが増えました。今、デビュー24年目ですが、年齢が上がるほど難しい役ばかりになってくるし、勢いだけではやっていけない。いつもどんな作品も難しいと思うし、自信なんてありません。ただ24年分の積み重ねたものがあるだけです。
「ジュラシック・ワールド／新たなる支配者」
スティーヴン・スピルバーグが手がける大ヒット作『ジュラシック』シリーズの第6作にして、『ジュラシック・ワールド』3部作の完結編。全世界へ分布を広げた恐竜と人類や既存生態系との葛藤のドラマが、壮大なスケールの映像で繰り広げられる。7月29日からロードショー。
Profile
1980年愛知県生まれ。’98年俳優デビュー。2001年映画『ウォーターボーイズ』、’03年NHK朝ドラ『こころ』、’06年NHK大河ドラマ『功名が辻』、同年フジテレビ月9ドラマ『のだめカンタービレ』などで評価を高める。2020年漫画が原作の日本テレビの連続ドラマ『極主夫道』に“不死身の龍”こと黒田 龍役で主演。それを映画化した『極主夫道 ザ・シネマ』が6月3日から全国公開中。主人公オーウェンの日本語吹き替えを担当した『ジュラシック・ワールド／新たなる支配者』、昌平君役で出演する映画『キングダム2 遥かなる大地へ』の公開が7月に控える。
［MEN’S EX Summer 2022の記事を再構成］（スタッフクレジットは本誌に記載）
※表示価格は税込み
