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THE J.SHEPHERDSのアドバイザーを務める、中野香織さんは、生地の特徴をこう語る。

「この初の純国産ツイードは、弾力のある原毛を活かした厚みのある生地で、素朴な風合いに仕上がっています。そして、生地を顔に近づけると、そこはかとなく牧草の香りがします。このツイードで織られたコートを羽織ってみました。原毛を多く用いて高密度に織り上げており、海外の有名ツイードと比べ2割ほど重いはずですが、予想よりも軽い着心地。ポールドーセット種の羊毛は縮れが強く、空気を多く含むので、その風合いを活かすようにやさしく洗毛するなど、こだわりぬいて試作を重ねた成果でしょう。さらに参加牧場の拡大に伴い、羊毛の品種も増えています。そのような羊毛が採用されることで、毎年、異なる風合いのツイードが生まれます。ある年のツイードは将来、価値を帯びるかもしれませんし、ワインの当たり年のようで、ワクワクしますよね」

日本の牧羊業の担い手の熱い想いから生まれたこのツイードには、これからさらに注目が集まるだろう。

THE J.SHEPHERDS（ジェイ・シェパーズ）

原毛から日本製にこだわる生地ブランド
1850年に尾州で創業された国島株式会社（現KUNISHIMA）により、2019年に日本で初めての国産羊毛を使うツイードプロジェクトが開始。2020年の秋からツイードコレクション「THE J.SHEPHERDS（ジェイ・シェパーズ）」が展開された。日本各地の羊牧場の羊毛が、尾州の工場で丁寧に織り上げられる。

［MEN’S EX 2022年3月号DIGITAL Editionの記事を再構成］（スタッフクレジットは本誌に記載）
※表示価格は税込み