M.E.読者に是非とも紹介したい2021年の新作時計はまだまだ無数にある。中でもとくに個性際立つ8モデルについて、4名が品評する。
まだまだ注目したい2021年の新作たち
機能に、デザインに一芸に秀でたユニークピース時計
田上 最近の時計トレンドを踏まえつつ、本誌読者の嗜好に合致しそうな新作を紹介してきた今特集ですが、他にも魅力的なモデルはいっぱいありますよね。たとえばグリーンダイヤル旋風吹き荒れた2021年の時計界ですが、どっこいブルー文字盤の良作も多かった気がします。
髙木 同感。たとえばカシオのオシアナスとかね。もともとオシアナスは青がキーカラーで今までも江戸切子などで綺麗な青を表現してきたけれど、今回は日本の藍を用いるとは！ 細かく粉末状にしたもので白蝶貝ダイヤルを染め上げたらしいね。
平澤 最近は綺麗に色落ちしたデニムが流行りですが、そこに合わせたくなる1本ですね。
CASIO（カシオ）
オシアナス マンタOCW-S5000APA-2AJF
青の表現に長けたオシアナスらしい（髙木さん）
藍で染め上げた表情豊かなダイヤル
徳島県の阿波藍で白蝶貝文字盤を着色。スマートフォンとリンクして自動時刻修正を行い、ワールドタイム設定も簡単だ。インダイヤルソーラー方式採用。クォーツ。径42.3mm。チタンケース&ブレス。世界限定1000本。23万1000円（カシオ計算機お客様相談室）
田上 デニムに合わせるならボクはフランク ミュラーもいいな。今までいろんなカラーを手がけてきたフランク ミュラーだけれど、こういう綺麗なブルーは希少。羅針盤に見立ててインデックスの3時をEastのE、9時をWestのWとしているのも遊び心を感じるし、趣味のヨットに乗るときにつけたいな。
FRANCK MULLER（フランク ミュラー）
ヴァンガード マリナー
色褪せデニムにぴったりな爽快な青（田上）
フランクらしい独創的で優美なマリンウォッチ
’15年の「ヴァンガード ヨッティング」の進化系。フランク ミュラーでは稀なブルージーンズのような爽快なブルーに、白のインデックスが映える。自動巻き。53.7×44mm。SSケース。クロコダイル×ラバーストラップ。今夏発売予定。予価126万5000円（フランク ミュラー ウォッチランド東京）
吉田 出た、田上の優雅な休日自慢！ でまた似合いそうなのが腹立つんだよな（笑）。ボクはブルー文字盤ではオリスの新作に痺れた。’10年の「グレートバリアリーフ」に始まる環境支援モデルの新作で、ブルーからグレーのグラデーションがとにかく綺麗。文字盤に月の周期と潮位を示すポインタームーンを装備しているのもソソられる。
ORIS（オリス）
ダットワット リミテッドエディション
針で示す月齢表示って他にはないかも（平澤）
美しいブルーグラデ文字盤には潮差&月齢表示も！
’09年にユネスコ世界遺産となったダットワット（ワッデン海）の保護活動に取り組むCWSSとのコラボ作。グラデーション文字盤が美しい。300m防水。自動巻き。径43.5mm。SSケース。世界限定2009本。31万200円（オリス・ジャパン）
平澤 タサキのカオスもかなりインパクトがあります。このマザー・オブ・パールの使い方は、さすが真珠の名門と唸ります。
吉田 母貝のより光を強く放つ面を使用し、無秩序を表現する爆発や混沌をグラフィカルに表現しているんだ。ちょっと版画のような趣もあるよね。美しいオープンワークで手巻きムーブをチラ見せしたのも面白い。
TASAKI（タサキ）
カオス
ムーブメントのチラ見せ具合もハイセンス（平澤）
ジュエラーの美意識が薫る芸術性豊かなトノー時計
真珠を取り扱うTASAKIらしいマザー オブ パールの文字盤が特徴。デザイナーのフィオナ・クルガーとのコラボ作。版画のようなグラフィックの美しさを引き立てている。手巻き。48×40mm。チタンケース。ゴートストラップ。510万7000円（TASAKI）
