本格眼鏡とは? なぜ本格眼鏡が必要なのか? どんなブランドがあるのか? を一冊で網羅する『本格眼鏡大全』が発売に。1000本ものフレームが掲載された本書から、ここでは国内外の本格眼鏡ブランドをピックアップしてご紹介する。
BOSTON CLUB(ボストンクラブ)
約30年前の金型を利用して新たなトラッドを提案
1984年に眼鏡作りの聖地・福井県鯖江市で創業した「ボストンクラブ」。ジャポニスムやベセペセ、ミュウゲといった人気ブランドを数多く擁する同社が、2013年に満を持して自社の名を冠したブランドをスタートした。
実は創業時に、すでに同名のオリジナルブランドを展開していた。今では珍しくなったセル巻きや、彫金模様のフレーム、プレッピーな跳ね上げや、メタルとプラのコンビ枠……。当時の若者の間で人気を博していた、少しルーズでクラシカルなアイウェアを今のデザインに落とし込み、新たなブランドとして蘇らせたのだ。
リブランディングするにあたり目指したのは、同社が保管していた約30年前の金型や図面などを利用し、メイド・イン・ジャパンによる新たなトラディショナルを提唱すること。単にアーカイブを焼き直すのではなく、現代のエッセンスを取り込んで再構築しているため、古さとは無縁。当時のレトロな面影を残しながらも、今のスタイリングにも馴染む、無二の作品を作り上げている。また、金型を再利用することでコストダウンにも成功。品質を一切落とすことなく、フレーム2〜3万円のリアルプライスを実現させているのも、コアなファンを生んでいる理由のひとつだろう。
往年のパーツを基にしてネオトラッドな作品を提案しながら、良心価格も実現したボストンクラブ。30年前と同じように高感度な若者たちから支持を集めるのは、当然のことかもしれない。
BOSTON CLUB(ボストンクラブ)
BRAND INFO
創業年/2013年
創業者/小松原一身
現在地/日本・福井県
問い合わせ先/GLOSS銀座
TEL:03-5579-9890
トレンドに左右されない普遍性
古きを訪ねて新しい作品を創り上げる同ブランドのジャパニーズトラディショナルなフレームは、流行に左右されず長く愛される。単なる懐古趣味に陥らないところも魅力のひとつだ。