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イタリア料理のテクニックとナポリの伝統の味が共演するフルコース!

今回は、その心意気を表現するベストセレクションと言うべき、カルミネシェフ自身の名を冠したコース「カルミネ・アマランテ」をご紹介(要事前予約)。至る所に、美食の街・ナポリ出身のアマランテ氏自身のアイデンティティが投影されている。

職人技を感じさせるのが、「じゃがいものスフォリア」。

ミルフィーユのように重ねるものを指すそうだが、1ミリにも満たない薄さにスライスしたじゃがいもを数え切れないほどの層にきっちりと円形に巻き上げて作る。表面はカリッと、内側はふんわりとした仕上がり。フランス料理では、ミルフィーユ状に縦に重ねたものが出てくるが、この丸く巻き上げるスタイルは美しい層が目で楽しめるだけでなく、表面の微細な凹凸がカリカリ感を増してくれる。

凍らせてから濾して清澄した、きのこのコンソメを作り、中心にはキノコのクリームを少し。舞茸、しめじなど日本のキノコは提供直前に備長炭で炭焼きにし、程よい食感を残したものを使っている。

こちらは「トルテッロ ジェノヴェーゼ」。「ジェノヴェーゼ」と聞くと、つい反射的にバジルを使った緑のソースを思い浮かべてしまうが、実はナポリではトマトを使わずに作るミートソースのことを「ジェノヴェーゼ」と呼ぶ。

アマランテが実家に帰る度に母が作ってくれる大好物だという。それだけに、思い入れもひとしお。トルテッロに和牛頰肉と鶏胸肉のムースを詰め、たっぷりの玉ねぎとダブルコンソメの要領で抽出した仔牛の出汁を加えたソースをかけていただく。12時間かけて煮込んだ和牛の甘い香りが楽しめる逸品で、これを目当てに再訪するファンも少なくないという。

「リゾット カチョ エ ペペ 雲丹」は、大粒で出汁をしっかりと吸う「リゾ・ブオノ」を、25カ月もののパルミジャーノ・レッジャーノでリゾットにしたもの。

胡椒というよりも、さっぱりとしたレモンの皮の爽快感、クリームを重くし過ぎない代わりに、雲丹を加えることで、自然なコクが重層的に重なる計算だ。

柑橘や酸味を生かして、重くなりがちなメニューにも軽やかさを加えている。

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