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スタイリスト四方さんとトレーディングポストの田中店長に聞く

M.E. たとえば無地のスーツをきちんと着たいときに、内羽根ストレートチップは勿論王道ですが、フォーマル感が強いですし、もう少し華やげないかなと思うことがありますよね。そこで今回はそれを叶える新たな王道としてブローグ靴を考えてみようと。靴と装いの達人として、お二人にもご参加いただきます。まずはこの靴業界22年のベテラン田中さん。ブローグの基本からお聞かせください。

田中 ブローグ靴はもともと労働者の靴だったものです。濡れた地面で履かれることもあり、パンチ(穴飾り)は水気を排出するためのものでした。

M.E. それが、今はスーツの盟友に。

田中 現代では正統派の靴に位置づけられています。制約の多いビジネス含め、格調あるシーンのスタイリングにおいて、パンチが個性を演出するための装飾となっているんです。飾り気の少ないパンチングキャップトゥはフォーマルに近い印象。クオーターブローグもそれに準じます。セミブローグはやや遊び心のある着こなし向きだと思います。

M.E. 四方さんはクォーターブローグ、セミブローグなどをスタイリングするうえでの注意点をどう見ますか?

四方 セミブローグはより装飾的でクォーターブローグのほうが控えめ。その主張の度合いを考えて、着飾り方のバランスを考えるといいですね。シンプルな無地スーツと白シャツに、セミを合わせて華やかなアクセントを作る。また、クォーターなら洒落心をほんのり薫らせられるといった具合です。

M.E. 微差ではあるけれど、通好みですね。ブローグ靴には「フルブローグ」もありますが、ウイングチップの主張の強さや出自がカントリーであることからも漂うカジュアルな印象もあり、正統なスーツスタイルとは異なると考え、ここでは外しました。次項からは王道パンチ靴のラインナップを見ていきます。

王道パンチとは?

パンチとは穴をあけるという意味の英語。ブローグ靴の特徴的なディテール、飾り穴をパンチと呼ぶ。パンチはトウや切り替え部、羽根周りなどに施され、大小(親穴、小穴とも呼ばれる)を組み合わせて装飾される。ここでは人気、実力ともに優れた王道靴ブランドによる、スーツに合わせたいクォーターブローグ、セミブローグを「王道パンチ」と命名。

    「王道パンチ」の魅力を一緒に考えるのはこのお2人!


    田中茂雄さん靴の達人
    トレーディングポスト 青山本店 店長
    田中茂雄さん


    四方章敬さん装いの達人
    スタイリスト
    四方章敬さん




※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年11月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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