>> この記事の先頭に戻る

2代目、4代目ボンドの着こなし

英国紳士の正統を押さえつつ、時代性のあるアレンジを加えるのもボンドスタイル

007のファッションは、6代目ダニエル・クレイグの時代にさらに大きな転機を迎えた。彼がボンドを務める2作目『慰めの報酬』で、アメリカ人デザイナー、トム・フォードのモダンなスーツを採用したのだ。

ベーシックなグレーや紺を基調にしつつ、シルエットはぐっとスリム。これをナロータイやタブカラーシャツでミニマルに着こなす様にはストイックな男の色気が漂い、原作への原点回帰とも言えるハードでシリアスなシリーズにぴったりハマっている。

と、このように英国紳士の正統的な装いの基本を押さえつつ、そこに縛られず時代に相応しいアレンジを加えてきたのがボンドスタイル。

そもそもボンドのキャラ自体も、ウォッカベースのシェイクしたマティーニを愛飲していたり、タキシードにダイバーズをつけたりと、型を知った上でそれを破る人物として造形されている。

そこに男は本能的にグッとくる。“本物”や“王道”を見極め、それを自分の流儀でスマートに嗜む姿に、一歩先の自分を目指す男が痺れるのは当然なのだ。

TOM FORD / トム フォード
[007 オコナー]

[007 オコナー]
シャツ6万円、タイ3万円、チーフ2万2000円/以上トム フォード(トム フォード ジャパン)

ダニエル・クレイグ主演007の2作目からトム・フォードが衣装を担当。写真は4作目『スペクター』用に制作したモデル。

このオコナーは3作目『スカイフォール』で初めて登場し、その仕上がりをトム・フォード自身がいたく気に入り、以後着丈などを微修正して「トム フォード」ブランドで展開することになったのだ。

細身ながら、構築的な肩周りや強く絞り込まれたウエストシェイプでメリハリの効いた美しいスタイルが築ける。49万円(トムフォード ジャパン)

6代目ボンド

【6代目(’06-)】
ダニエル・クレイグ

シリーズ初の金髪のボンド。クールなルックスに当初賛否はあったが、若く荒削りな007は原点回帰を目指すシリーズに最適だったようで『カジノ・ロワイヤル』以降の主演4作はいずれも大ヒット。引退作となる5作目『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は11月公開予定。

写真:Everett Collection/アフロ


関連記事一覧:
【#おうち時間充実計画】/映画とファッション



※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年5月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
<p><strong>【2代目(’69)】ジョージ・レーゼンビー</strong></p>
<p>『女王陛下の007』一作きりのため印象の薄い人が多いかもしれないが、じつはもっとも英国の正統的なドレススタイルを披露(キルトを着たシーンまである!)。スキーシーンでの洒落た着こなしやボンドには珍しい花婿スタイルも必見。<small>写真:PictureLux/アフロ</small></p>

【2代目(’69)】ジョージ・レーゼンビー

『女王陛下の007』一作きりのため印象の薄い人が多いかもしれないが、じつはもっとも英国の正統的なドレススタイルを披露(キルトを着たシーンまである!)。スキーシーンでの洒落た着こなしやボンドには珍しい花婿スタイルも必見。写真:PictureLux/アフロ

<p><strong>【4代目(’87-’89)】ティモシー・ダルトン</strong></p>
<p>シェイクスピア俳優の演技力で、よりハードな路線に舵を取った007シリーズにリアリティを与えたダルトン。全体的に陰を感じさせるニヒルなボンドだが、アクションのキレが良く、タキシードなどのフォーマルなスタイルもビシッと決まっている。<small>©Allstar/amanaimages</small></p>

【4代目(’87-’89)】ティモシー・ダルトン

シェイクスピア俳優の演技力で、よりハードな路線に舵を取った007シリーズにリアリティを与えたダルトン。全体的に陰を感じさせるニヒルなボンドだが、アクションのキレが良く、タキシードなどのフォーマルなスタイルもビシッと決まっている。©Allstar/amanaimages

  1. 2
LINE
SmartNews
ビジネスの装いルール完全BOOK
星のや
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
pagetop