練習のきつさは想像を絶する。楽しいと思うやつは変態です（笑）
丸山 覚醒したのはいつですか？
野村 大学2年生のときですね。細川先生の言葉で気づき、意味のある努力を重ねたことと、細かった体にやっと筋肉がついて、柔道選手としての体が出来あがってきた。それによって子どもの頃から磨いてきた技術を活かせるようになった。それは大学4年生のときに、アトランタ五輪で金メダルを獲ったことで確信に変わりました。
丸山 早咲きで散るより、たとえ遅咲きであっても金メダルを獲って笑うほうがいいよね。
野村 柔道は、相手と直接組み合う競技ですから、技術を活かすためにはパワー含め戦える肉体も必要です。
丸山 いわゆる「心技体」ですね。僕自身は体が資本の「体心技」で、体に少しでも痛みを感じると気持ちも技も乗らなくなる。それでもアスリートは痛みを上手にリカバリーするよね。
野村 その通りで、指の怪我なんかは日常茶飯事です。
丸山 痛くないわけないよ。あんな大きな体の外国人に振り回されたら。
野村 相手と組み合っている手をすごい力で「バチン」と弾かれたとき、指の筋が切れることがあります。
丸山 筋が!?
野村 指がホラーな曲がり方をすることも。それでも練習や試合は続く。テーピングしておけば大丈夫。指の怪我は怪我のうちに入らない（笑）。
