島下泰久氏による自著解説『2020年版 間違いだらけのクルマ選び』の読みドコロ

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日本を代表する自動車評論、故・徳大寺有恒氏の名著『間違いだらけのクルマ選び』シリーズを受け継いで5冊目となる最新版が2019年末に草思社より刊行された。昨年に続きMEN’S EX ONLINEでは、著者であるモータージャーナリスト・島下泰久氏本人に、その読みドコロを綴ってもらった。

2020年版 間違いだらけのクルマ選び

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節目となる2020年版

筆者の名が最初に「間違いだらけのクルマ選び」の著者として、徳大寺有恒氏の隣に載ったのは、2011年夏に発売された2011年版のことでした。最新刊は2020年版。つまり今回が10冊目ということになります。2014年の秋に徳大寺氏が亡くなられたのを承けて、ひとりで記し始めたのは2016年版からだから、それから数えると5冊目。自分の中では、少しだけ節目を意識しながらの執筆となりました。

コンセプトはここ数年、ほとんど変わっていません。クルマ選びのための指南書として、日本で発売されているクルマのほぼすべてを網羅して評価している部分は、もちろん「間違いだらけのクルマ選び」のメインコンテンツですが、それと同じかあるいはそれ以上に、実は前半の特集部分にも力を入れています。

対象としてイメージしているのは、クルマに興味がないわけではないけれど、自動車業界、産業界のことはそれほど詳しくはないという人。要は普段は自動車メディアに熱心に目を通しているわけではないビジネスマンだったり生活者に、クルマを取り巻く現状を正しく理解してもらえたらということです。

経済誌や新聞、テレビなどのいわゆるマスメディアには、正しい知識が無いまま頭でっかちな情報を平気で流しているところがまだまだ多いのが現状です。たとえば「自動運転技術で欧米に遅れている日本」などと、彼らは根拠なく思い込みで記します。こうした様々な事案について、しっかりファクトに基づいた分析を展開することは、単に正しくクルマや、その周辺を知ることができるというだけでなく、それぞれの車種がなぜそういう形態であるのか、ライバルとの位置関係は、今回のモデルチェンジは何を目的としたのか、といったことへの理解だったり洞察だったりが深まり、つまりクルマをもっと楽しめるようになる。そう考えているのです。

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