「コミュニケーションの頻度と距離がサービスの価値を決める」
（唐池さん）
加藤手段といえば、現代はSNSが盛んですが、その中で育ってきた若者のコミュニケーションについては何かお感じになることはありますか？
唐池鉄道会社にいると、かなり違いを感じますね。我々の世代は線路の側で仕事したこともあって、接車事故とか、自分の身体を以て身の危険を感じることが多かったんですよ。でも、今の若手はそういったことを経験せずに、すぐに駅で切符を販売したり、車掌になったりするんです。すると、どうなるか。安全に対する意識が薄くなるんですね。
加藤怖さを知らない、と。
唐池ええ。だから、彼らの実感が伴うようにやっぱり伝え方を工夫する必要があります。免許更新の際に見るビデオのような映像をつくったりして。最近は文字による会話が当たり前になっていますが、例えば若いお母さんが同じ屋根の下にいる子どもに対して、夕食ができたのをメールで知らせるなんてことは実に嘆かわしい。ちなみに、私自身は２ｍ以内、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションにこだわっています。それだと気持ちが伝わるし、相手の気持ちも汲み取れる。話は飛びますけど、政治家だってそうですよ。選挙上手な人にかぎって大きなホールを借りて演説するのではなく、小規模の集会を何十回もやると聞きます。やはり相手の目を見て話すと心が通じ合うんですね。
加藤わかりやすいですね。
6年を迎えた「ななつ星 in 九州」
本年10月で運行開始から６年を迎える日本初のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」。匠の技と心を結集して、手間ひまかけてつくられた世界にひとつだけの車両では、自然豊かな九州の景色を愛でながら、その土地を代表する食の匠が愛情を込めてつくった最高の料理を味わえる。立ち寄り先での地域の方々のおもてなしやクルーとのふれあいも心温まる。2020年４月以降に出発するコースの申込を現在受付中。
お問い合わせ：https://www.cruisetrain-sevenstars.jp/
TEL：0570-550-779（水曜日・日祝日は休業）
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［MEN’S EX 2019年11月号の記事を再構成］
撮影／鈴木泰之 スタイリング／後藤仁子 ヘアメイク／金子友美 文／甘利美緒
