
フェラーリ初となるPHEVモデル
フェラーリ・ジャパンは10月10日、テレコムセンタービルにて同社初のPHEV、SF90 ストラダーレのジャパンプレミアを行なった。
フェラーリはこれまでスーパーカーの王道中の王道として自動車業界に君臨してきた。スーパーカーの特徴といえば、速さや独特のスタイリング、大排気量エンジンによるエンジンサウンドなどであり、ある意味EV(電気自動車)やPHEVとはもっとも縁遠いブランドである。
しかし、環境対策など時代の潮流に伴い、ポルシェやジャガー、メルセデス・ベンツといった高級ブランドが続々とEVやPHEVを発売。それどころか会社としてEVやPHEVを主軸にした販売計画を発表している。フェラーリによる初のPHEVの発売も、こういった時代の流れを受けてのものだと言える。
もちろん技術面の進化により、PHEVやEVの速さがすでにガソリン車を上回るようになっている点も大きな理由だろう。今回発表されたSF90 ストラダーレも、フェラーリ史においてもトップクラスの性能を誇っている。
様々な面で新しい
目玉となるのがシステム合計出力1000psというスペック。単純計算でいえば軽自動車10倍台分のパワーである。フェラーリにおいても最近発表されたF8トリブートのエンジン出力が720psでその差は280ps。いかにSF90ストラダーレの性能が突出しているかが分かるだろう。ちなみにフェラーリにおいて、一時期とはいえV8モデルがラインナップで最もハイパワーになるのはこれが初めてとなる。
そのパワーの内訳は最高出力780ps、最大トルク800Nmを発揮するV型8気筒エンジンと、220psを発揮するエレクトリック・モーターの組み合わせ。エレクトリック・モーターは3基を搭載し、後輪・前輪をそれぞれ駆動する。後退時はモーターのみで車体を動かすという。
フェラーリ初という意味で言うと、モーターを前後に配置し前後輪を駆動するSF90 ストラダーレはフェラーリ量産車としては初の4WDモデルでもある。各種電子デバイスも豪華で、フル・エレクトリック・フロントアクスル、RAC-eといった車体をコントロールしドライバーをサポートする機能も充実している。