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素朴だけれど上質な、肌に馴染むクルマ

シトロエンC3エアクロス 大型タッチスクリーン
センターコンソールには7インチの大型タッチスクリーンを設置。有線接続すれば、いつものアプリでナビしてもらうことも可能だ。また、SHINEパッケージオプションではスマートフォン用のワイヤレスチャージャーも付属する。

インテリアについても、低反発ウレタンによるシートの、適度な包み込み感が心地いい。自然な質感のシート生地がダッシュボードにも張られ、キチンとコーディネイトされている様子は視覚的にも心地よく、落ち着いた時間を過ごせる環境といえる。加えて車内インターフェイスも今ドキで、7インチのタッチスクリーンにUSBコードの有線接続でスマホを連携させれば、音声認識を含むいつものスマホの機能が使える。無線接続よりも直観的で分かりやすく確実でもある。加えてQi規格のワイヤレス充電も備え、同乗者のスマホも置くだけでチャージしてくれる。

シトロエンC3エアクロス荷室
コンパクトなサイズだが、荷室容量は十分。リアシートを前方にスライドさせれば、520Lを確保できる。また、テールゲート下部のバンパーは無塗装なので、荷物によって傷ついてしまう心配も少ない。
シトロエンC3エアクロス後部座席

また、リアシートは3座独立形状で、大人も短時間なら苦しくない中央シートとなっており、荷物がかさばるときは6/4分割の可倒式なのでモジュラー性も高い。パノラミックルーフを選べば、それこそ開放的なラウンジにも似たルーミーさが味わえる。

シトロエンC3エアクロス エンジン
搭載するエンジンは、1.2リッターの直列3気筒。最高出力は110PSで、最大トルクは205Nm。

1.2Lターボと6速ATによる走りの印象は、穏やかかつスムーズで、速さはないが快活だ。前方衝突リスクを減らすアクティブセーフティブレーキが備わる以外、いわゆる運転支援機能はほぼ警告音にとどまるが、介入で運転のペースを乱されないメリットはある。ハッチバック版のC3やプジョー208と共通のプラットフォーム1は、旧いといえば旧いが完熟シャシーぶりはさすが。コーナーでは切り始めにやや大きめに揺らぐが、操舵感覚がナチュラルで接地感のあるロールなので、安心感の高いハンドリングとなっている。多少の凸凹を含む荒れた路面でも、足がよく動いて終始フラットでしなやかな乗り心地に終始する辺りが、やはりシトロエンだ。

シトロエンC3エアクロス
ボディサイズは全長4160mm、全幅1765mm、全高1630mm。グレードはFEEL、SHINE、の2つを用意しており、価格はFEELが259万円、SHINEが274万円。
シトロエンC3エアクロス
シトロエンC3エアクロス

輸入車慣れしていても剛性感とパワーこそが「いいクルマ」という人には、「柔らかく、しなやか」だからいいクルマ、という感覚は薄いかもしれない。だが昔からよくいわれるフランス車の、シンプルだからこその滋味深さを、今日的なカタチで巧みにまとめ上げたベーシックな一台が、C3エアクロスであり、クルマなのに服が肌に馴染むような身体感覚を味わえるクルマは、滅多にはないのだ。



※表示価格は税抜き

文/南陽一浩 写真/柳田由人 編集/iconic

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