エコでありパワフルでもある
SUVの人気が高まるにつれ、いま世界的にステーションワゴンは絶滅危惧種になっているという。しかし、日本には一定のマーケットが存在しており、いまもステーションワゴンには根強い需要がある。
日本で売れているステーションワゴンは、実は輸入車が多い。メルセデス、BMW、アウディのドイツ御三家を筆頭に、1990年代に「850」というヒット作を出したのがボルボだった。ボルボはステーションワゴンではなく、”エステート”と呼ぶことでも知られるようになる。ちなみにこの「estate」(エステート)はイギリス式のステーションワゴンの呼称。本来は資産や不動産、また身分や階級といった意味を持つエステートという言葉を、ステーションワゴンにより高い地位を付与する意を込めてそう呼んだという。
そんなボルボエステートの系譜をいまに受け継ぐのがV60だ。先代比で全長は125mm延びたものの、全幅は15mm狭く、全高は45mm低くなった。実はこれ日本サイドから本国に対して”立体駐車場に入ること”を条件として強く要望した結果という。全幅は1850mm、全高は1435mmと一般的な立体駐車場に入るサイズになっている。長年ボルボエステートのブランドイメージを築き上げてきた日本市場に対する期待の現れということだろう。