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政財界の要人にも愛されるローマ仕立て

イタリアにおける政治の中心地であるローマでは、スーツの仕立てにも当地ならではの特色があるといわれる。装飾性を排して控えめであることを旨とし、ナポリなど南伊と比べて縫製は繊細でクリーン、着心地は柔らかいが適度な構築感のある仕立てといったところが当地の傾向とされるが、ガエタノ アロイジオもそんなローマンテイストを汲みつつ、若々しい感性が光る点が特徴的だ。

「1つボタンのシングルピークトラペルが私の代表的スタイルのひとつになっていて、お客様からも好評をいただいています。チェンジポケットをつける場合も多いですね。仕立てで最も重要視しているのは肩周りですね。なだらかなショルダーラインと、柔らかい袖付けを意識していますが、肩にギャザーを寄せず、できるだけクリーンな仕立てにこだわっています。ステッチも一針一針をできるだけ細かく、丁寧に行い、ボタンホールなど細部も精緻に仕上げています」

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このように精緻な仕立てを叶えるために重要なのが、分業制による制作だとガエタノは言う。

「現在は35人の職人を抱えていて、工程ごとに担当を決めて分業による仕立てを行なっています。一人が全行程を担当する丸縫いでは職人ごとのクセが出やすく、仕上がりにバラツキが生じてしまうため、私のように全てにおいて完璧さを求める場合は分業制のほうがクオリティが上がるのです。それぞれが得意な工程に集中し、それぞれの長所を結集させて仕立てることができますからね。そのうえで、一着に対して70?80時間を費やして、じっくりと丁寧に仕立てていきます。こうして、私が考える最高の一着が完成するのです」。

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