ピロリ菌の有無のチェック、
胃酸の逆流を防ぐ生活への改善を
さて、胃がん対策として、日常的にはどのようなことに気を付けるべきでしょう。
まずは、胃がん発生を予防することが大切です。胃がんの原因としてピロリ菌感染や胃酸の逆流が挙げられるわけですから、まずピロリ菌感染の有無を確認するのが大切です。血液検査や呼気検査、できれば内視鏡検査をまず受けていただきたいと思います。
ピロリ菌感染が確認されたら除菌薬を服用します。それによりほとんどのピロリ菌は駆除できます。仮に駆除ができなくても、ピロリ菌感染があったことを受け入れて定期的に(1年に1回)胃内視鏡検査を受けてがんの早期発見に努めれば良いのです。
胸やけは胃酸の食道への逆流症状です。これを自覚したら速やかに内視鏡検査を受けるべきです。胃酸の逆流を防ぐには、胃酸の過度の分泌を防ぐことと、逆流を促さないことがポイントになります。そのためには、暴飲暴食や刺激物の摂取を避ける、肥満にならない、食後すぐ横にならない、などが求められます。
また、ストレスは、免疫力を低下させることがわかっています。免疫力の低下はがんの発生リスクを高めます。がん予防には食事や運動面での管理に加えてストレスのコントロールが非常に大切です。
北青山Dクリニック院長 阿保義久
東京大学医学部卒業。腫瘍外科・血管外科医。2000年に北青山Dクリニックを設立。下肢静脈瘤の日帰り根治手術・椎間板ヘルニアのレーザー治療・痛みのない内視鏡検査・進行がんに対する革新的治療—がん遺伝子治療まで、質の高い医療サービスの提供に励んでいる。著書に『アンチ・エイジング革命(講談社)』、『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』、『尊厳あるがん治療(医学舎)』などがある。