“よく見ればお洒落”が心をつかむ「距離1mのVゾーン」
柄のあるタイは胸元で映えるが、時として、派手すぎるものはビジネスシーンにそぐわない。主役となる柄と近づいて初めて見えるさり気ない柄、その差し引きが重要だ。
ビジネスで許される程よい”遊び”
コンビ柄タイ6選
大剣側と小剣側で色柄を切り替えた”コンビ柄タイ”は昔から多くのブランドが手掛けるジャンルだ。この手はギミックものと思われがちだが、上質な素材と仕立てのものなら、胸元のニュアンスを高めたいときに有効。両剣をあからさまに大きくずらさず、上写真のように小剣側がチラリと覗くくらいのさじ加減にこだわれば、ビジネスにおいても適度な洒脱さや華やぎ、あるいは親しみやすい人柄をアピールする格好のポイントになってくれるだろう。
もちろん両剣を揃えて締めれば普通のタイ同様の端正な胸元となるため、手堅く行きたい場面でも礼を失しない。シーンに応じて印象を簡単にスイッチできる便利なタイとして、1本持っていても損はしないはずだ。
1. TOMMY HILFIGER
トミー ヒルフィガー
ドット柄とストライプ柄の切り替え。今回集めた中で最も変化球的なインパクトがあるが、紺ベースゆえ定番コーデにも取り入れやすく、ヒネリの利いたトラッド演出にもってこい。剣先幅7cm。1万円(PVHジャパン)
2. BARNEYS NEW YORK
バーニーズ ニューヨーク
大剣はストライプだが、小剣は無地。柔らかなピンクベースゆえ、両剣の落差があまり際立たず、カジュアルなビジネスシーンであればさりげなく遊び心をアピールできる。剣先幅8cm。1万円(バーニーズ ニューヨーク)
3. MACKINTOSH PHILOSOPHY
マッキントッシュ フィロソフィー
大剣と小剣ではなく、表と裏で柄を切り替え、グレンチェックとソリッドの両面で使えるリバーシブル仕様。どちらを表にしてもシックに決まる。両剣の幅はまったく同じだ。剣先幅7.5cm。1万4000円(SANYO SHOKAI)
4. FAIRFAX
フェアファクス
大剣はシルクだが、ハイビスカスをプリントした小剣は沖縄のアロハシャツブランド”PAIKAJI”のコットン。チラリと覗かせれば、胸元に爽やかな海風が通りそうだ。剣先幅8cm。1万円(ファクファクスコレクティブ)
5. ARCURI
アルクーリ
薄手のシルクニットタイ。これも両A面で使えるリバーシブル仕様だ。白×ブルーの爽やかなボーダー柄は、コットンやリネン素材の夏場のカジュアルジャケットにも重宝しそうだ。1万円(麻布テーラープレスルーム)
6. ROBERT FRASER
ロバート フレイザー
イエロー×ネイビー×シルバーのやや派手目の配色だが、胸元に小剣側のイエローをさりげなく覗かせることでシックに落ち着く。阪急メンズ別注のエクスクルーシブアイテムだ。剣先幅8cm。1万2000円(阪急メンズ東京)
[MEN’S EX 2018年4月号の記事を再構成]
撮影/柏田テツヲ(KIKI inc.)、若林武志 スタイリング/武内雅英(CODE) 文/吉田 巌(十万馬力)