vol.7「ルイジ ボレッリ」のシャツ
ネクタイ、ジャケット、ニット……と、アイテム別のトピックを紹介してきたが、今回は、ナポリの老舗シャツブランド「ルイジ ボレッリ」についてご紹介。
現在の当主であるファビオ・ボレッリ氏の祖母にあたるアンナ ボレッリは、もともとナポリの自分の家でシャツ作りをしていたという。そのアンナのシャツの着心地は、「mosca bianca」(イタリア語で”白いハエ”のように、極めて珍しい稀有なもの)と称され評判となり、後に自身のカミチェリアを持つことになる。
そのアトリエで、毎日母のシャツ作りを見ていた息子・ルイジ ボレッリが1957年、自身の名を冠してナポリにシャツ工場を創業。これが「ルイジ ボレッリ」の始まりだ。平面的なシャツが多かった時代に、ハンドとマシンを巧く使い分け、人の身体の作りを考慮した立体的な縫製により着心地を実現したシャツは、瞬時に賞賛を得た。そしてナポリからイタリア全土へ、そして世界各国へ浸透していったのだ。その後、ルイジ・ボレリの息子であるファビオ・ボレッリが経営に参加。そこからシャツだけでなく、ジャケット、ニット、パンツetc.トータルウェアを展開するナポリブランドとして成長していった。