木型=ラストは靴の生命線。いくら素材や仕立てにこだわっていても、ラストが凡庸では決して”名靴”とは呼ばれない。そこでここでは、本誌頻出の名靴たちが採用するラストを、ジャンルごとにご紹介。ここから各ブランドの靴作りに対する思想や美学を読み取ってほしい。
FILE.3 孤高のアメリカ靴「オールデン」
モディファイドをはじめ、どこよりも個性的な形状の木型が揃うオールデン。
これぞ快適さを追求して生まれた”用の美”だ。
オールデンのバン


モカシン専用のトラッドな木型
1930年代にモカシン用に開発されたラスト。比較的土踏まずのアーチが緩やかで、小ぶりのヒールカップながら、履き口にゆとりを持たせているのも特徴だ。
オールデンのバリー


武骨な空気をもつ威風堂々たる木型”
モディファイドと並んで高い人気を博すラスト。
クラシックなデザイン相性がよく、足元に高級感と安定感を生み出す。
ほかより踵が低めなのも特徴。
オールデンのモディファイド


医療用靴起源の独自ラスト
医療用矯正靴の木型を街履き用に改良。幅広ながら極端な内振り&ウエストをギュッと絞り込んだ独特の形状により、抜群のフィットと歩行性能を実現している。
[MEN’S EX2018年02月号の記事を再構成]
撮影/平井敬治、宇田川 淳、植野 淳、村上 健、岡田ナツ子、武蔵俊介、久保田彩子 スタイリング/武内雅英(CODE) ヘアメイク/勝間亮平(MASCULIN) 構成・文/POW-DER 文/竹石安宏、吉田 巌(十万馬力)、山田純貴、安岡将文、間中美希子、秦 大輔 撮影協力/モルテーニ東京