綿谷寛画伯の男の嗜みシネモード#5「恋焦がれたニューヨークスタイル」

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78年、オレのアニー・ホール

今思えば、20歳の小僧がする格好にしてはかなり渋め。その頃、オレの中で勝手に”高円寺のアニー・ホール”とお慕い申しておりました2つ年上のOLのお姉さんがいて、そのお姉さんをひと目見たくて夜な夜な高円寺の改札口で仕事帰りを待つという……今でいうストーカー? いやいや、ケータイもメールもないその時代は、それを純愛と称していたのですよ。

で、そのお姉さんと何度かデートを重ね、いよいよプロポーズをしようという勝負の日。今でも忘れない。オレはバイト代をはたいて買ったラルフ ローレンのショールカラーのケーブルニットベストにツータックチノという、ウディ・アレンばりのニューヨークトラッドで「イラストでごはんが食べられるようになったらボクと結婚してください?」とプロポーズ。

結果は……「坊や、ごはんが食べられるようになったらまたお願いね?」でした。

まっ、ごもっともなんだけど、その切ない想いを断ち切ろうとアニー・ホールの絵を描いて出版社に売り込みに行ったのが1978年。もしあの時、高円寺のアニー・ホールがプロポーズをOKしてたらオレは何をやってたかな?


今月のシネマ

『アニー・ホール』(1977)



[MEN’S EX 2018年11月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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