プロゴルフコーチの奥嶋誠昭氏と、ゴルフ大好きゴルフライターの鶴原弘高氏が最新の注目クラブやシャフトを試打計測。気になる性能を徹底レビュー！

BRIDGESTONE TOUR B XD-3 DRIVER

カーボンに金属弦を複合した独自クラウン
しっかり叩いても、球がよじれずに飛ぶ

ライター・ツルハラ　 ここ数年、正直言って国内メーカーのドライバーの人気が今ひとつなんですよね。売れているのはゼクシオだけで、その他の国産ブランドは泣かず飛ばずという感じです。

奥嶋プロ　そうですね?。完全にゴルファーの目は、外ブラ（海外メーカーのブランド）に向けられていますよね。このコラムを読んでもらっているM.E世代のゴルファーもそうだと思いますよ。そもそもアメリカのPGAツアープロの影響が強くて、彼らが契約して使っている外ブラのクラブばかりが注目されますから、そうなっちゃいますよね。海外のメーカーは、新製品のプロモーションの仕方もうまいですし。

ライター・ツルハラ　実際、ドライバーに関していえば、国内メーカーのクラブが海外メーカーのものに性能的にも負けていた部分があったと思うんです。国内メーカーは、日本のプロの意見を聞き入れて重視したばかりに、クラブ性能が保守的になって、従来のクラブ性能をブレイクスルーするモデルを作れなかったようなフシがあるんです。

奥嶋プロ　プロって、基本的に保守的なんですよ。自分が使い慣れたクラブを替えたがらない人も多いですから。しかし、パターやウェッジならまだしも、テクノロジーの恩恵を受けて革新的に進化しているウッド類となると、やはり最新のモデルがいいです。曲がりづらいし、ミスしても飛距離が落ちづらくなっているから。

ライター・ツルハラ　そこなんですよ！ 国内メーカーの2大巨頭といえば、ブリヂストンとスリクソンなのですが、どちらも自社の従来からのやり方では危機感をおぼえたようで、新製品では大幅にドライバーを変革してきたんです。ということで、前置きが長くなりましたが、今回試打してもらうのがコチラです。

奥嶋プロ　ブリヂストンのツアー Bですね。ほほぅ?。クラウンにかなり特徴があります。とりあえず、あまり詳しいことは聞かずに打ってみましょう。おりゃ！

ライター・ツルハラ　僕は以前にコースで試打していますが、はじめて打ってみた奥嶋プロは、どう感じます？

奥嶋プロ　率直に言って、いいですねぇ。安定感のある中弾道の中スピン。アスリート向けのクラブにしてはヘッドが機敏に動きすぎず、しっかり叩きにいっても球が暴れません。意外とオートマチックに狙ったところに飛ばしやすいです。ドローやフェードも打ち分けやすいですよ。

ライター・ツルハラ　テクノロジー的には、カーボンクラウンの中に見える細い線がいちばんの特徴なんです。この線はアモルファス金属で、カーボンに金属製の弦を複合させることによって、ボールを強くはじき返しつつ、ヘッドの無駄なよじれを抑える効果があるそうです。ブリヂストンが自社のタイヤ開発から発想を得た、独自の新たなテクノロジーです。

奥嶋プロ　計測値を確認しても、ボール初速がよく出ているし、打ち出し角とスピン量のバランスがちょうどいい。ヘッドスピードが遅めの人が打っても、スピン量が少なくなりすぎないのもいいですね。女子プロや男性アマチュアにもウケそうな性能だと思います。

ライター・ツルハラ　アスリート系のドライバーだからといって、右にしか飛ばないようなこともなく、だからといって、球がつかまりすぎることもない。誰もがやさしく打てるとまでは言えませんが、安定して飛ばせる性能です。それに打感がいい！

奥嶋プロ　打ってみると、海外メーカーのドライバーみたいなんですよね。ヘッドの見た目は全然違うけど、感覚としてはテーラーメイドの「M2 ドライバー」に近いです。それにしてもこの新モデルは、従来のモデルよりも格段に構えやすくなりましたね。前モデルは、フェースが左を向いているように見えて構えづらかったし、スピン量も多めで、あまり飛ばせる印象がありませんでした。それらがすべて、この新モデルでは改善されています。

ライター・ツルハラ　僕の周りには、構えたときにクラウンの線が気になるという人もいますけど、しばらく使っていると慣れますよね。

奥嶋プロ　あまり気にならないです。このおかげで性能が良くなっているのなら、余裕で許容できちゃうレベルですね（笑）

ライター・ツルハラ　外見の好みはあると思いますが、今回の「XD-3 ドライバー」は性能に関して、かなり良くなっていると思うんですよね。ブリヂストンのドライバーを打ったことがない人や、しばらく国内メーカーのクラブが眼中になかった人にも、ぜひ試打してみてほしいです。

試打した製品の情報はコチラ
ブリヂストンスポーツ

文／鶴原弘高