「東京ステーションホテル」は創業から100年以上の歴史を持ち、鉄骨赤煉瓦造りの外観を備えていることからしても正統派、という印象がある。が、2階のバー＆カフェ「カメリア」では、目下、鰐（わに）を使った料理を提供しているというから不意打ちを食らったような気がした。一体、どんなものかと出掛けてみると、厨房から運ばれてきたのはいかにもおいしそうな唐揚げとステーキである。恐る恐る口に運ぶ。うまい。鶏肉を連想させる食感で、さっぱりしながらも旨みをたたえている。

「鰐の肉は低脂肪、高タンパク、低カロリー。野菜をたっぷり添えてヘルシーに仕上げました」と語るのは総料理長の石原雅弘氏。「自分が素晴らしいと納得した食材を使って世の中に広めていくのも料理人としての務め」と、今回、鰐の肉を採用することに決めたそうだ。

じつは、近頃、日本ではあまりなじみのない肉ーー鰐然り、カンガルーやダチョウなどの肉を提供する店が徐々に増えてきている。宴席にチョイスすれば話も盛り上がるだろうし、それがホテルのダイニングなら失敗はない。ちなみに東京ステーションホテルで鰐の肉が味わえるのは8月いっぱい。冷えたビールによく合うので、試してみてはいかがだろうか。

ディナータイムには鰐のテールとタン、2つの部位を楽しめるハーブガーリックステーキ(2980円)、バルサミコソースで味わう鰐ロースの唐揚げ(1780円)に加えて山形豚のロースト(8380円)が提供される。※すべて税込サ別