で、到着した。浜松市西区にあるそのミュージアムの名は「エアーパーク」。より正確に言うならば「エアーパーク 航空自衛隊 浜松広報館」である。その名のとおり、ミュージアムは航空自衛隊浜松基地の敷地内に存在している。
重要な国家機密ならびに防衛機密を擁しているだろう同基地ではあるが、その外れにあるにすぎない同ミュージアムには、個人であれば予約不要でごく気軽に入館することができる。入館料も無料だ。ただし定期休館日やその他臨時休館日もあるので、詳しくは公式サイトでご確認いただきたい。
エアーパークは向かって左手の「展示資料館」と右手の「展示格納庫」に分かれているのだが、実機を間近で見たい欲望を少々抑え、まずは左手の展示資料館から順を追って見ていくこととする。
資料館に入館すると、いきなりXF-2のモックアップが出迎えてくれる。XF-2とは、現在の航空自衛隊の主力戦闘機のひとつであり「平成の零戦」との異名も取るF-2戦闘機の試作機だ。

XF-2およびはF-2はSUBARU製ではなく三菱重工業が米国と共同開発したヒコーキだが、戦前はかの零式艦上戦闘機を開発した三菱が手がける戦闘機であることを考えると、平和志向の自分も思わずグッとくるものがある。

そして現在は退役しているF-1支援戦闘機のカットモデルなどを間近で見ながら、展示資料館の2階へと足を進めよう。
2階では全天周シアターが楽しめるほか、対空機関砲VADSやラインメタル対空20ミリ2連砲といった対空兵器、あるいは地上機器などをまじまじと眺めることができる。

余談ではあるが、「地上基地内にある機器が見られる」といっても公開されているのはおそらく現在は使用されていない旧世代のもの。それゆえ、どことなく1960年代から70年代あたりの特撮モノにおける「地球防衛軍の本部基地内」を間近で見るような感慨を覚える。その意味で、この旧世代の地上機器もここでは必見であろう。
話がそれた。連絡通路を進み、いよいよ実機が並ぶ「展示格納庫」へと行ってみようではないか。