
高級車とは、フツーのクルマとはかけ離れたプラスアルファの仕掛けや余裕が、あちこちに組み込まれたクルマだと思われがちだが、それは間違いである。パワートレインや内装、外装のデザイン等々、「満たすべき必要」のレベルや捉え方が違うクルマだと考えたほうが分かりやすいはずだ。7年ぶりのモデルチェンジを果たしたベントレー・コンチネンタルGTの、佇まいや卓越したホスピタリティ、パフォーマンスを試したら、大人4人がグランツーリングに出かけるために満たすべき必要十分条件とは何か、それが表れた気がする。
コンチネンタルGTのプロポーションとサイズ(写真2枚)
先代とまず異なるのは外寸とプロポーション。全長4880mmは先代比+60mmながら前車軸は135mmも前に移動し、ホイールベース2850mmも+105mmとなる。かくして前後の重量配分も55:45に改められ、横から見るとフロントノーズの長さを強調する、より伸びやかなシルエットが与えられた。また全幅は+20mmの1965mm、全高は−5mmの1405mmとなり、ボディはトランクリッド以外すべてアルミニウム製で、車両重量はW12ツインターボを積みながら2310kgに抑えられている。